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沙織side
結局Aが姿を消して3日くらい経っても、何も分からないままだった。
太ちゃんはあの事件を境に人が変わったようになってしまった。
爽やかさも笑顔もない。HRの声も小さいし、日に日にやつれていってるのが見て取れる。
太ちゃんから、Aのお母さんに居場所を聞いたけど教えて貰えなかったということを聞いた。
それだけAが太ちゃんと離れる決意が固いことが分かる。
太ちゃんとのお別れフラグが立つとすぐに赤ちゃん返りしてたのに。
私も諦めきれなくて、Aの家に通ってる。
母「ごめんね、毎日来てくれてるのに」
沙織「Aも辛かったと思うから少しでも力になりたくて」
母「Aには誰にも言うなって口止めされてたんだけどね、今オーストラリアにいるの」
沙織「あっーお父さんのとこか」
海外は盲点だった。
母「そんな遠くに行かないでここで静かに暮らしていればいいって言っても聞かなくて。そろそろホームシックになる時期だから、連絡来たらまた相手してもらえるかしら?」
沙織「それはもちろん!」
母「でも、太ちゃんには内緒ね。今の太ちゃんに教えたら収拾がつかなくなりそうだから。」
沙織「だよね。でも、私もなんとか出来ないか考えるから」
母「巻き込んじゃってごめんね」
沙織「謝らないでよ!私の親友なんだから、当然だよ」
Aは海外行っちゃったか。これじゃあ直接会ったりするのは難しいか…
でもそれから数日後、Aからの着信が来た。
元気はなさそうだけど、なんとか暮らしてるみたいで、とりあえず安心した。
1時間くらい話したけど、太ちゃんの話題は全くしない。
あえて触れないようにしてる気がした。
でも今その話題を出したら、また音信不通になりかねないから、今日は当たり障りのない近況報告だけし合った。
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作者名:Meri | 作成日時:2014年10月15日 16時