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朝になって、シドニー空港に降り立つと、ゲートでお父さんが待っててくれた。
A「急に来ちゃってごめんね。お迎えありがとう」
父「大変だったんだろ。うちでゆっくり休もう」
ヨーロッパ風の街並みを眺めながら、遠く離れた所に来てしまったことを実感する。
ここで暮らしながら、私はずっと太ちゃんのことを思い続ける。
胸が張り裂けそうだけど、そうするのが太ちゃんにとって1番いいから。
長旅の疲れで今すぐ寝たいのに、頭に浮かぶのは太ちゃんのことばかり。
スマホも電源を切ってるし、急に居なくなったから心配してるよね。
日本から連れてきたぬいぐるみを抱きしめながら目を瞑るけど、溢れる涙が止まらない。
セミダブルベッドだからか異様に広く感じるし、いつも感じていた温もりもない。
それが寂しくて、もう何日も満足に眠れていない。
父「せっかく来たんだから、観光でもしよう」
泣いてばかりで、卑屈的になってる私をいろんなところに連れ出してくれるお父さん。
自然に囲まれた綺麗な景色で、心の中が少し浄化されるけど、
隣にいるお父さんの大きな背中を見ると、太ちゃんと一緒に見たいなって思いがどうしても溢れてくる。
私から離れたのに、ずっと太ちゃんのこと思ってるなんてね…
クルーズ船に揺られながらウトウトしてると、お父さんが自分の肩に頭を乗せさせてくれた。
父「眠れてないんだろ。疲れた顔してる。少し休みなさい」
久しぶりの人肌に安心して、束の間の睡眠を取ることができた。
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作者名:Meri | 作成日時:2014年10月15日 16時