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一晩中片時も離れず太ちゃんと繋がって、太ちゃんの上に乗ったまま朝を迎える。




でも、太ちゃんは引き継ぎやら何やらで、今日も通常通り学校に行く。




いつもよりテンション低いからか『たいちゃん』も元気なくて、仕方なく太ちゃんの上から降りると、溢れ出てくる太ちゃんの分身。




太輔「もしもの時はちゃんと責任取るから」




真剣な目で見つめながら言ってくれる。私のわがままでしてもらったことなのに。




A「ありがとう。ほら、遅れちゃうよ」




一緒にシャワー浴びて出勤する太ちゃんを見送る。




お互いの全部を食べちゃうくらい濃厚なキスをして、太ちゃんを送り出した。






―――――帰ってきても日常が繰り返されるかのように。





太ちゃんを見送ってから、急いで自分の荷物をまとめる。




昨日の事件が起きてからずっと考えてたこと。




それを実家に帰って、お母さんに伝える。




A「私、お父さんのとこ行くね。」




お父さんが働いてるオーストラリアに。




母「太ちゃんはいいの?」




A「太ちゃんには夢を叶えてほしい。私にはまだ叶えたい夢もないし。」





昨日言われた私たちが決めなければいけないこと。私が退学するか、太ちゃんが教師を辞めるか。





大変な実習や卒論を熟して、必死で掴んだ教師の夢。彼女として近くで見てきたから大変さは誰よりも理解してる。




そんな大切な夢を私が奪う訳にはいかない。




だから、私が居なくなるね。




太ちゃんは優しいから、絶対に私のことを残そうとしてくれると思う。だから敢えて何も言わないで消えるね。





お腹に手を当てて、太ちゃんからの勇気をもらう。




まずは飛行機の手配。その後は学校に連絡。




学校には、私の行き先などは全て伝えなかった。絶対太ちゃんが探しに来ちゃうから。




計画の全部が案外あっさり行っちゃって、太ちゃんが帰ってくる前に手続きが終わりそう。




太ちゃんに『夢を叶えて』って置き手紙と、夢の国で買って貰った女の子のクマだけを置いて私はオーストラリアに旅立った。





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作者名:Meri | 作成日時:2014年10月15日 16時

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