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女子だから? ページ10

「よし、諸君、よく集まってくれたな」

そういう若武の顔は、いつになく堅かった。

「まずは、謝罪だ」

そう言って、私の前に立つ。

「本っ当に悪かった!」

あぁ、もう、いいって。
私は平気だし。

その時、ふと思った。
もし、私以外のメンバーが同じ状態になった時、みんなはこんなに謝るのだろうか。
ひょっとして....私が女子だから?

「ねぇ。みんなって、私が女子だからこんなに謝ってるの?」

ポカーンとした顔のみんな。
え・・・・どっち?

「女子だからじゃねーよ」

そう答えてくれたのは、上杉君だった。
あ、ほんと?それならよかった。

でも、こんなに謝る?
あんなに自尊心の高い若武が?
考えられない....。

「その理由は、じきに分かるさ」

黒木君だった。
黒木君の言うことは、大抵、正しい。
だから私は、その判断に委ねる事にした。

「じゃあ、会議に進もう」

うんっ!

「じゃあまず、近状報告。美門、お前だ」

「はい、俺」

いつになくしまった表情をした、翼。

「今日、クラスメートの小田とアーヤが話していた。
その時のアーヤの顔が暗かったため、怪しいと判断した。
そのため、休み時間などの間、ずっとアーヤを尾行していた」

「なんかそれ、ストーカーじゃん・・・・」

んー、若干、似てるかも。

「そして放課後、アーヤは理科準備室にいた。周りには、男3人」

その瞬間、みんなの顔からすっ、っと笑みが消える。

「まじか、気分悪っ!」
「そりゃ、ねーだろ」
「僕も、さすがに気持ち悪い」
「ちょっと、ただじゃおけないね」
「なあ、呪っていいか?」

す、っとスマホを取り出しながら翼が言う。

「出来るだけの対処をした。動画も、撮ってある」

続いて、上杉君が言う。

「じゃ、それ、ケーサツに届けりゃ、いーんじゃね?」

「それが....できないんだ」

え・・・・どゆこと!?

「小田家は、ちょー金持ちで、毎年、浜田に3000万円は寄付してる。それに、小田家族は、浜田の校長、そして理事長とものすごく仲がいい」

え・・・・。

「勝ち目、ナシかっ!?」

おちついて、若武。
黒木君が、続いて言う。

「俺、いちおがんばっとく」

あぁ....ごめんね、わたしのせいで。

「じゃあ、メンバーは当分、アーヤの護衛だ」

うん、ありがと。



「では、諸君、解散!」

きっと、目立つ運命にいる。→←彩、相当ヤバい状態



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ゆうな - すごく面白かったです探偵チームの信頼がグッド詰まっているお話でした (2021年8月20日 0時) (レス) id: 9c262f26ff (このIDを非表示/違反報告)
#モモ# - 次の作品も楽しみにしてます! (2021年8月16日 21時) (レス) id: a8579e89ad (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ - お疲れ様です (2020年4月9日 18時) (レス) id: c350fd39bf (このIDを非表示/違反報告)
(〃ω〃) - 俺たちの、大切な大切な天使なんです(上杉)(〃ω〃) (2019年8月20日 19時) (レス) id: 3d3f2d0827 (このIDを非表示/違反報告)
上杉 亜沙美 - とても良いお話でした。 (2019年8月9日 10時) (レス) id: eea7cb4a8f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:結花@Project KZ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/santsuguji2/  
作成日時:2019年3月29日 19時

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