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皮肉のひとつでもかましてやろうかと思って振り向くと手を両手で握りしめるあまねがいた
花子「…ありがとう、あの時話してくれて」
『…』
花子「大切なことなのに、忘れててごめん」
あまねの手にぎゅっと力が入ったのが見えた
もう反省したかなと思う気持ちと、いやまだ絞ってやれって気持ちが交差する
しばらくの葛藤の間、答えは出た
『…………あー!もういい!わたしもあの時大っ嫌いって言っちゃったし』
花子「A…」
『だからさ…その………ごめんね、さっき殴っちゃって……』
花子「!!許してくれるの?」
あまねの顔がぱあっと輝く
『うん…まあ……ちょ、わ!?』
なんかさっきもこうやって抱きしめられた…
花子「ほんとにごめん……!でも俺思い出せなくて…Aのこと見ても懐かしいって思う程度で、挙句嫌いとか思ってないこと言っちゃって、たくさん傷つけて…」
『いいから、もう…』
あまねの頭を撫でるとぐりぐりと首におでこを擦り付けられた
花子「…でも、ありがとう。あの時俺に話してくれて。Aの気持ちしれて良かった…ちょっと恥ずかしかったけど」
『そのことについてはノーコメントです』
わたしが1番恥ずかしい
あまねは1回ぎゅっと抱きしめると腕を緩めた
花子「俺も、Aが大好き。誰よりも好き」
『〜〜〜っ!!』
全身の血液が全部頭にきたかというぐらい顔が熱くなる
幸せだ
死んでから幸せを身に染みて感じるなんて、とても滑稽だ
でも、それがわたし達らしくて憎めない
これほどまでに愛おしいという気持ちを抱いたことはなかった
花子「永遠に一緒にいようって言いたいところだけど…生憎Aにそれほどの力はないからね」
『そうだね』
花子「その時はさ…俺も消えて、2人で生まれ変わろうとかって思ってるんだけど…」
どうかなって首を傾げられる
『あまね、そんな勝手に消えて七不思議はいいの?』
花子「………後継者探すよ」
『そんなのあんだ』
花子「知らないけど」
知らないのかよ
いつものテンションが戻ってきた頃、空間が歪んだ
花子「四番の力が無くなってる…依代を壊したんだ」
『…長かったね』
花子「ほんとに長かった」
あまねから離れると間に亀裂が入った
花子「縁起悪いなぁ」
『…ほんとだよ』
花子「…また、女子トイレで会おう」
『うん。またね』
名残惜しく手を離すと景色が変わった
いつものプールだった
わたあめもわたがしもそばに居る
日常が戻って来たんだ。良かった
では早速光に会いましょう
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咲楽 - ヤバイこれ読んでると顔がニヤける 更新頑張って下さい!応援してます! (2022年1月8日 1時) (レス) @page27 id: 5b8ca2bcc2 (このIDを非表示/違反報告)
ももいちご紅茶(プロフ) - すごい面白いです!読んでる時顔にやけます…w好きです!頑張って下さい! (2020年9月11日 13時) (レス) id: 4935a83b89 (このIDを非表示/違反報告)
紗奈 - 面白すぎます!源最新楽しみにしてます!!もしよかったら兄との絡みが見たいです (2020年4月23日 1時) (レス) id: 0bf5c2ae4b (このIDを非表示/違反報告)
月 - あの……貴方様は神ですか? (2020年4月5日 2時) (レス) id: f2a5c7d6f6 (このIDを非表示/違反報告)
もっけちゃん(プロフ) - 最初の、生徒会長と花子くんの絡みのところからもう面白いです!更新楽しみにしてます! (2020年3月20日 23時) (レス) id: 5bc881e2a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しらき | 作成日時:2019年8月27日 15時