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無事に任務を達成し寮に戻ってきた私は背中の彼を降ろして着ていた衣服を脱ぎ捨てた。
『白山君の想い…ここまで強いもんだとは』
設置されている鏡で背中を移すと濃紫色に変色した肌が見えた。触るとヒリヒリと焼け付くような痛みがある。
布越しで触る分には問題ないと思っていたけれど、長く触れているとそうはいかないのだろう。
でも、ここで止めたら白山君が人を恨んだままになってしまう。それだけはどうしても嫌だった。
誰かを呪ったり、誰かに呪われたり…いくら神様でもあのまま囚われていたら罰が下されてしまう。
どうにか彼を救い出さなければと思いつつも、明確な解決案は浮かばない。
とにかく顕現してくれると話が早い気がするんだけど…ブラック本丸なんてあまり知らないし、どう接したらいいのかもよくわからない。
『くぅ〜〜っ!!風呂も滲みるじゃん…、!』
擦り傷がある時にお風呂に入ってしまった時のような、ジワジワと来る痛みに涙が滲む。
肌身離さず持っていたら話してくれるかと思ったけど、そんな簡単にはいかないようだ。
ただ、どこへ行くにも彼を持ち歩くことは止めなかった。
───────────
後日、高専の医務室へ向かおうと足を進めていた。
医者の家入硝子…最近彼女と親しくさせてもらっているので世間話でもしにいこうかと思った次第だ。
もちろん白山君も背中に背負って。
しかし事件は予兆もなく襲いかかるのだった。
私の姿を見つけたのか悠二が元気に走り寄って来る。
そんな彼に応えようと私も軽く手を挙げて挨拶したところだった。
〈おい…それはなんだ〉
「あ!勝手に出てくんな!」
ピリッと肌に刺さるような威圧と邪気を放つ悠二。正確には内にいる両面宿儺。
その呪力に当てられたのか背中の刀がカタカタと動いたのが感じられた。
そこからは風のような速さで目の前が流れていったように思えた。
背中にあった小さな重みはふわりと消え去り、夜を宿したような黒い瞳が私を射抜いた。
『白山…吉光、、っ』
邪気と呪力で受肉したからか刀帳で見たときの姿とは全く違う外見だった。
「Aさん!?これ…誰?」
『悠二!五条さんの所に!』
私の側にいた悠二は少し焦ったように口を動かしたが私の言葉に頷くと校舎内に走っていった。
隣では浦島虎徹が自身に手を掛けるのが見えた。
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さんふね(プロフ) - プスメラウィッチさん» プスメラウィッチさんコメント有難うございます!今の所オチは決めてません。。オチを作る予定が無かったもので…五条さんコールが強ければそのようなお話になるかと思います(´▽`)これからもどうぞ宜しくお願いします (2021年7月13日 20時) (レス) id: d691bf6e97 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年7月12日 0時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
さんふね(プロフ) - 皐月さん» 皐月さんコメント有難う御座います!更新速度が落ちているこの作品ですがそのように言って頂けて有り難いです。これからもどうぞ宜しくお願いします (2021年4月23日 16時) (レス) id: d691bf6e97 (このIDを非表示/違反報告)
皐月 - 私の中で「どなたか書いてくださらないかなぁ」と、ムラムラ(笑)してた呪術廻戦と刀剣乱舞のクロスオーバー。神作品を書いてくださり、本当にありがとうございます!御無理はなさらず、更新頑張って頂けたらこれ幸いです^ - ^ (2021年4月14日 22時) (レス) id: d0dd666c8e (このIDを非表示/違反報告)
さんふね(プロフ) - ネコマタさんのちょびひげさん» コメント有難う御座います!とっても嬉しいです!!有難う御座います!(大声)今後とも宜しくです (2021年1月27日 23時) (レス) id: d691bf6e97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さんふね | 作成日時:2021年1月24日 21時