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「あるじさま、お加減はいかがですか?」
『おぉ、白山君!今日は外歩こうかなって』
「わたくしもお供します」
白山君。あれから随分丸くなって私の側を離れない。
人肌恋しい刀らしい。まだ練度が低いから前線に出陣させることはできないけれど長谷部や巴形と近侍争奪戦してる。
残念ながらくじで決めてるからそんな不毛な争いに意味はない。
彼の手を借りてゆっくりと歩みを進めていく。
頼もしい彼の肩に以前見た禍々しさは無い。
『白山君、粟田口の皆とは仲良くやってる?』
「一期一振がわたくしのことを気にかけてくれていまますので」
少し照れ臭そうに?まだ彼の表情筋の動き方を理解できていないから合ってるかはわからない。
ウチの粟田口兄弟はかなり仲がいいので、馴染みが無くとも深い何かで共通の思いを持っているらしい。
刀工が同じっていうのは結構影響力があるんだろうね。
『あれ、悠二達じゃない?』
少し目線を上げると中庭の方ではしゃぐ影多数。
見慣れた背格好と黒い制服の彼等が見える。
「主!歩いて平気か!?」
『大丈夫だよ貞ちゃん』
一番に気付いた太鼓鐘貞宗が私の元に駆けてくる。
頭の羽飾りをぴょこぴょこと動かして元気いっぱいの彼が眩しい。
「お見舞いに来てくれたみたいだぜ?」
『あらま。そしたら貞ちゃん、光忠にお茶用意してもらって?』
「分かった!行ってくる!」
タタタタと風のように目の前から消えた太鼓鐘を見送って私達は陽のあたる中庭に足を踏み入れる。
鼻腔を掠めていく冷たい空気が雪を感じさせてなんとも言い難い気持ちになる。
「Aさん元気ね?良かったわ」
「心配したんですよ」
『あはは、皆有難う。』
『ほら、ここは冷えるから上がっていってよ』
こんな歳の頃に気恥ずかしいと感じていた言葉を皆がかけてくれて、逆に私が恥ずかしさを覚えている。
今時の子の恐ろしいことと言ったら…。
「それにしてもここは雪が降ってるんですね」
『皆が雪すきでね…』
「これもAさんの力なのか!?凄ぇなあ!」
悠二のはしゃぎように呆れる2人だけど、どこか嬉しそう。やっぱり雪って皆好きなんだな。
今にも雪合戦を始めそうな悠二を見やる。あ、恵くんに当てた。
「おい、虎杖。」
知ってた───────
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さんふね(プロフ) - プスメラウィッチさん» プスメラウィッチさんコメント有難うございます!今の所オチは決めてません。。オチを作る予定が無かったもので…五条さんコールが強ければそのようなお話になるかと思います(´▽`)これからもどうぞ宜しくお願いします (2021年7月13日 20時) (レス) id: d691bf6e97 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年7月12日 0時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
さんふね(プロフ) - 皐月さん» 皐月さんコメント有難う御座います!更新速度が落ちているこの作品ですがそのように言って頂けて有り難いです。これからもどうぞ宜しくお願いします (2021年4月23日 16時) (レス) id: d691bf6e97 (このIDを非表示/違反報告)
皐月 - 私の中で「どなたか書いてくださらないかなぁ」と、ムラムラ(笑)してた呪術廻戦と刀剣乱舞のクロスオーバー。神作品を書いてくださり、本当にありがとうございます!御無理はなさらず、更新頑張って頂けたらこれ幸いです^ - ^ (2021年4月14日 22時) (レス) id: d0dd666c8e (このIDを非表示/違反報告)
さんふね(プロフ) - ネコマタさんのちょびひげさん» コメント有難う御座います!とっても嬉しいです!!有難う御座います!(大声)今後とも宜しくです (2021年1月27日 23時) (レス) id: d691bf6e97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さんふね | 作成日時:2021年1月24日 21時