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「Aさんを解放しなさい!」
「解放?彼女は我々の仲間だ。他のどこへも行かない」
「っっざけんなよ!!!」
今まで聞いたことの無いような叫びが加州さんからとび出た。鵺を構えてそばに控えさせた俺は様子のおかしいAさんの方を見やる。
家族のように寄り添い合っていた刀剣男士を忘れた?
そんなことがあるのか…?何かこいつらに薬でも飲まされてるんじゃ。
「その汚い手で主に触るな」
「あんたらが何なのか知らないけど、主を連れて行かせねぇ!!」
「加州さんっ!」
彼の手足は半透明になっているのに、その叫びは心をドンッと揺さぶる。
そのまま勢いに乗って刀を抜いた加州さんは、Aさんの横にいる男に斬りかかった。
「っ…、はぁ?」
ように見えた。実際は刀身が奴を透過したのだ。
その代わり、加州さんには男が持っていたナイフが深く突き立った。
俺達は動くことができなかった。加州さんはその場に崩れ落ちて荒い呼吸を繰り返している。
『だ、大丈夫ですか!』
「てめぇは動くな」
「お前らもな。何かしようってんならこいつ"殺す"から」
Aさんの片腕を掴んだ奴は憎たらしい口調でそう言った。人質なのだ。
冷や汗が纏わりついた。あの人を死なせてはいけないと俺の心が言っている。
でもこのままじゃ、どうしようも出来ない。
「手を…離せ」
「、、その人に触んじゃねぇよ」
完全に知らない人として接してくるAさんの方を加州さんは見つめている。
男は面倒くさそうな顔をして加州さんを容赦なく蹴り上げる。
「その人は…俺達の、主。」
「たった一人の主なんだよっ!!!」
血を吐き、嗚咽を漏らしながらそう叫んだ。
俺の式神もそんな風な感情を持っているんだろうか。
『あの…怪我がっ、、』
「うるせぇ」
『…っぐぁ!?〜〜っ!!』
「「「Aさんっ!!!」」」
奴はその手のナイフを今度はAさんの脇腹に突き刺す。声も出せずに苦しむ彼女の元へ駆け寄りたいが、男は尚もナイフを掲げて牽制してくる、
「お前らには分からないだろうが、この女の体は特殊でな」
「アンタらには勿体無いもんだ。じゃあな」
「あ!待てよっ!!」
虎杖が後を追ったがすぐ様扉が閉められ、けたたましいサイレンが部屋に響き渡った。
《セキュリティレベル5です》
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さんふね(プロフ) - プスメラウィッチさん» プスメラウィッチさんコメント有難うございます!今の所オチは決めてません。。オチを作る予定が無かったもので…五条さんコールが強ければそのようなお話になるかと思います(´▽`)これからもどうぞ宜しくお願いします (2021年7月13日 20時) (レス) id: d691bf6e97 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年7月12日 0時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
さんふね(プロフ) - 皐月さん» 皐月さんコメント有難う御座います!更新速度が落ちているこの作品ですがそのように言って頂けて有り難いです。これからもどうぞ宜しくお願いします (2021年4月23日 16時) (レス) id: d691bf6e97 (このIDを非表示/違反報告)
皐月 - 私の中で「どなたか書いてくださらないかなぁ」と、ムラムラ(笑)してた呪術廻戦と刀剣乱舞のクロスオーバー。神作品を書いてくださり、本当にありがとうございます!御無理はなさらず、更新頑張って頂けたらこれ幸いです^ - ^ (2021年4月14日 22時) (レス) id: d0dd666c8e (このIDを非表示/違反報告)
さんふね(プロフ) - ネコマタさんのちょびひげさん» コメント有難う御座います!とっても嬉しいです!!有難う御座います!(大声)今後とも宜しくです (2021年1月27日 23時) (レス) id: d691bf6e97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さんふね | 作成日時:2021年1月24日 21時