花蘇芳を飲み込んで 〈刀剣乱舞×呪術廻戦〉

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夢を見た────────────



小説の住人が”夢を見た”とかクサイっていうのは受け付けません。



あの、白山吉光が前にいた本丸のことだった。




私は第三者的視点で白山君がどのように過ごしてきたのかを追っていた。
まるで無意識だったけど、白山君のことを考えていたからか、これは彼が見ている夢だということに途中気付いた。



「そいつ、刀解しとけ。資源の無駄や」




その審神者は男であった。
彼は独特の訛りで白山君に怒鳴りつける。彼の前に居たのは中傷の前田藤四郎だった。



「はい。」



審神者に頭を垂れて、切れて血が滲んだ口を必死に動かして謝罪の言葉を並べる前田。そんな彼の痛ましい姿を前にしても白山は目の色も変えずに前田の手を引っ張った。




「せめて安らかに…」




刀種の中でも打たれ弱い短刀が犠牲になるのは当然のことであった。
事あるごとに怪我を負う刀剣の手入れに資源を使うよりは、刀解して資源にしてしまったほうがお得だと…ここの審神者は考えているようだ。



「長谷部にこれ書かせとけ。」




「はい。」





報告書や日報も審神者の仕事であるが、それすら手を付けていないらしい。

長谷部なら主命とあらば喜んでやるだろう。そういう思いを逆手に取ったクソみたいな審神者だ。






「あ"ぁ？？モノが口答えすんなや。」






この日は相当機嫌が悪かったらしい。
燭台切光忠が食材が切れたからというので万屋への外出許可を貰いに来たのだが、審神者が断ったのだ。



審神者の分の食料の話だと言うのに、進言した燭台切が悪いことになっている。



「はぁ。失望したで…始末しとけ」





「はい。」






しっしっ。と審神者が手を払う。肩を震わせていた燭台切のもとに歩み寄り中庭へと投げ飛ばす。



無抵抗な相手は雑巾のように地面にグシャッと倒れふす。そんな彼に白山は自信の切っ先を迷い無く突き立てた。




"始末"とはそういうことなのだ。
刀解すらせず、ただ一息に破壊。




その場に散らばった破片を集めて、彼は肩の狐に通信させる。こうやって順当な手順ではない方法で刀剣が破壊された場合直ぐにその本丸は監査される。


それを免れてきたのは彼が政府の通信役として嘘の通信を打っていたから。
隠蔽など容易いものだった。




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「Aさん…？？」





ベッドで寝ているその人から流れる冷たい雫を俺はそっと拭うことしかできなかった。

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