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「え?」

「だってブッキーのこと庇ったらしいし。C組ってA組から遠いのに、偶然巻き込まれたとか不自然だし」

「私も気になってた」

「俺も」

みんなの視線が私に集まる。

「私は協力者じゃないよ。先生に呼ばれて……」

説明しながら、私はふと思った。

先生が私を犠牲者の1人に加えたのは、私を守るためだったんじゃないか。

あのまま私が残っていたら、きっと内通者だと確定されていた。ずっとみんなから白い目で見られて、責められていた。
その状況を考えて、先生は私を指名したんだ。

先生の配慮と優しさを痛感した。

「…そうだったのか」

瀬尾君は納得したように呟いた。

「なんか、悪かったな。勝手に疑って」

「ううん」

首を振りながら、私は里見君に視線を滑らせた。

私も、謝らなきゃいけない気がする。

「ブッキーから夕飯もらったんだ、みんなで食べよう」

中尾君が言い、みんなの意識が袋の中身に向いた。

「それ何入ってんの?」

「おにぎり」

「俺昆布がいいな」

「私は鮭一択!」

みんながわいわいと騒ぎ始める中、私は里見君に声を掛けた。

「里見君」

里見君は肩をびくっと跳ねさせて、気まずい表情で振り返った。

「あの…さっきは、怒鳴ってごめん」

頭を下げると、

「いや」

里見君は慌てたように言った。

「俺が悪かったんだから、謝らなくていいんだよ」

顔を上げると、里見君は罰の悪い顔をしていた。

でも里見君にしてみれば、部外者の私にいきなり怒鳴られてびっくりしたはずだ。
里見君が景山さんに告白 して振られたのも、まさか私が知ってるなんて思わないだろうし。少し後ろめたかった。

「私ね」

だから里見君が納得するだけの理由を、私の弱みを見せようと思った。

「加害者になることが怖いんだと思う。

誰かを傷つけるのが、凄く怖い。
誰かに傷つけられるよりもずっと。

だからきっと、悪くもない人を加害者にしようとする人達が許せなかったんだと思う。

だからついカッとなって…ごめん」

「…俺はあいつに傷つけられた、か」

合点がいったように里見君は呟いた。
それはさっき、里見君が教室で放った言葉だった。

「確かに、景山は悪くなかった…ただの逆恨みだよな」

里見君は自嘲的な笑みを零した。
その姿はなんだか様になっていて、心なしか哀愁が漂っている。
イケメンってすごい。

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さな×りお(プロフ) - 緑えいたぁーさん» えぇ…ありがとうございます! めっちゃ嬉しいです更新頑張ります! (2019年5月3日 20時) (レス) id: e17c1230c5 (このIDを非表示/違反報告)
緑えいたぁー(プロフ) - さなさんとりおさんの書くお話が大好きです!いつも楽しみにしています!もしかしたら歳近いんじゃないかな〜って思ったりしたりしなかったり…御二人のファンとしてずっーと応援してます! (2019年5月2日 22時) (レス) id: 847f0c09f1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さな×りお | 作成日時:2019年4月24日 22時

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