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重たい空気を破ったのは、キィ、とハッチが開く音だった。

先生が上がってきた。

準備室の床に立った先生は、教師の顔をしていた。
その顔で、里見君達と真剣に向き合って、話をしたんだろう。

先生の想いは、みんなに届いたんだろうか。
届いてたらいいな。

先生は私達を見ると、

「話は終わったから2人とも中に入って。あと、それ持ってって」

準備室の隅に置いてある袋を指さした。
開けてみると、中にはおにぎりとお茶が7個ずつ。

「それ夕飯な」

袋を持とうとしたら、中尾君が「俺が持つよ」と代わってくれた。
さすが、彼女持ちのイケメンは違うなぁと思った。
甲斐君とかこんなスマートなこと出来るんだろうか、なんて、こんなこと考えてるのがバレたら半殺しにされそうだけど。

先生の言葉に従って、中尾君と一緒にハッチに向かい、梯子を降りる。
梯子はひんやりしていて冷たかった。


ハッチの下では、犠牲者になるはずだった5人が1列になって座っていた。

その顔は困惑していて、先生の話を受けて、それぞれが思い詰めているのが分かった。

中尾君が1歩、前に出る。

「なあ、先生の話を聞いて、どう思った?」

しばらくの沈黙のあと、里見君が口を開いた。

「俺は、学校に残る」

里見君は、先生の想いを受け止めたんだ。
受け止めて、自分もその力になろうとしている。

「…私も」

堀部さんもそう呟いた。
その目は微かにうるんでいた。

「先生は、私達のためにこんなことしてる。私も先生のために何かしたい」

「そうだよね」

「俺も残る」

他の2人も頷いた。

ここに残って、先生の力になろう。
ハッチの中の空気が、そんな雰囲気にまとまっていた。

でも。

みんなが同意して頷く中、瀬尾君は1人黙っていた。
唇をきゅっと引き結んで、ただその場に座っていた。

…瀬尾君は、ここに残ることに反対なんだろうか。
先生の話を聞いても、力を貸したくない訳があるのかな。

瀬尾君に声を掛けようとした時、

「蒼井は、結局ブッキーの協力者だったのか?」

当の瀬尾君に、逆に訊かれた。

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さな×りお(プロフ) - 緑えいたぁーさん» えぇ…ありがとうございます! めっちゃ嬉しいです更新頑張ります! (2019年5月3日 20時) (レス) id: e17c1230c5 (このIDを非表示/違反報告)
緑えいたぁー(プロフ) - さなさんとりおさんの書くお話が大好きです!いつも楽しみにしています!もしかしたら歳近いんじゃないかな〜って思ったりしたりしなかったり…御二人のファンとしてずっーと応援してます! (2019年5月2日 22時) (レス) id: 847f0c09f1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さな×りお | 作成日時:2019年4月24日 22時

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