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【全ての武器を置いて、撤退して下さい】
先生の声で、意識がモニターに引き戻される。
鬼気迫った表情の先生に、SIT隊員が武器を向けた。
思わず息が止まった時、
爆発音が響いた。
天井が崩れる音が後に続く。
【安心して下さい。隊員のみなさんは無事です。
ただ次は本当に、真上にある爆弾を、爆破させます。
どうしますか?】
その言葉に、武器を置いて隊員が去っていく。
【ご協力、感謝します。
代わりといってはなんですが、今からSNSマインドボイスに、ある情報を流します。
それをご覧になれば、みなさんの考えも変わるかもしれません】
所々、声が震えている。
痛みを懸命に堪えて、声を絞り出しているんだ。
【僕が一体、何をしようとしているのか、
Let's think】
その姿に、胸が潰れそうだった。
警察との通信が途切れた所で、私は資料室へと駆け出した。
梯子を降りると、そこには先生が蹲っていた。
痛みを堪える低い呻きが聞こえた。
「先生!」
駆け寄って、先生の傍に膝をついて…そこで止まってしまった。
私は、どうすればいいんだろう。
何をしたらいいんだろう。
今の私に、一体何が出来る?
医者でもない、薬の在り処も知らない。
精神的に先生の支えになれるような存在でもない。
私はただの、一生徒。
無力な自分が情けなくて、私は切れそうな強さで唇を噛んだ。
悔しさのやり場がなくて、拳をぎゅっと握り締める。
その手を、先生が掴んだ。
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さな×りお(プロフ) - 緑えいたぁーさん» えぇ…ありがとうございます! めっちゃ嬉しいです更新頑張ります! (2019年5月3日 20時) (レス) id: e17c1230c5 (このIDを非表示/違反報告)
緑えいたぁー(プロフ) - さなさんとりおさんの書くお話が大好きです!いつも楽しみにしています!もしかしたら歳近いんじゃないかな〜って思ったりしたりしなかったり…御二人のファンとしてずっーと応援してます! (2019年5月2日 22時) (レス) id: 847f0c09f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さな×りお | 作成日時:2019年4月24日 22時