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「ごめんA」
さくらは頭を下げた。
「私が殺されそうになった時、Aは身代わりになってまで助けようとしてくれたのに…私は何もできなかった」
「そんなことないよ」
私は首を振って、さくらの頭を両手で挟み、顔を上げさせた。
「さくらが私を助けようと思ってくれてたのはちゃんと分かってた。
それに、私は先生を信じてたから」
先生へと視線を戻す。
きっと先生は、ずっと具合が悪かったのに無理に授業をしていたんだ。
私は先生の病気のことを知っていたのに、状況についていくのにいっぱいいっぱいでそこまで気が回らなかった。
何もできなかった。
胸がきりきりと痛む。
さくらはそんな私の表情を見て、首を傾げた。
「A、先生と仲良かったの？」
頷こうとして、私と先生は仲が良かったって言えるのかな、と躊躇した。
だから事実だけを伝えた。
「毎週火曜日に、デッサンを教えてもらってたの」
さくらは「そうだったんだ…」と呟いた。
「Aが火曜日にどこかに行ってるのは知ってたんだけど…そっか、柊先生のとこだったんだね」
「うん」
「A、柊先生と会ってから明るくなったし、火曜日はなんかそわそわしてた」
「…そうだったかな」
そわそわ、してたのかな。
さくらでも気づいてたんだから、先生にもそわそわしてるって思われてたのかな。
顔が火照ってきた。耳に熱が集まる。
体育座りをして、膝に顔をうずめる。
今の顔を見られたら、さくらに色んなことがバレてしまう気がした。
「Aを変えてくれたのは、先生だったんだね」
「うん」
さくらの視線が、私の耳に注がれている気がした。
多分、熱で真っ赤になった私の耳。
「A、先生のこと好きなんだね」
「…うん」
バレてしまった。
観念して頷く私に、さくらは笑って言った。
「A可愛い。耳真っ赤だよ」
「…なんか、馬鹿にされてる気がする」
「そんなことないよ」
先生を好きになるって、ドラマとかではよくあるけれど、現実では普通じゃない。
そんな私の恋を、さくらは笑って受け入れてくれた。
いい友達を持った私は幸せ者だ。
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さな×りお(プロフ) - 緑えいたぁーさん» えぇ…ありがとうございます！ めっちゃ嬉しいです更新頑張ります！ (2019年5月3日 20時) (
レス) id: e17c1230c5 (このIDを非表示/違反報告)
緑えいたぁー(プロフ) - さなさんとりおさんの書くお話が大好きです！いつも楽しみにしています！もしかしたら歳近いんじゃないかな〜って思ったりしたりしなかったり…御二人のファンとしてずっーと応援してます！ (2019年5月2日 22時) (レス) id: 847f0c09f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さな×りお | 作成日時：2019年4月24日 22時
