正直者は馬鹿を見る ページ45
「おお政宗殿に片倉殿!丁度貴殿らを探して__」
「アンタ、なんで敵に塩送ってたんだ?」
「何を申される?この幸村今の今まで塩は持っておらぬが……」
「そうじゃねぇ。なんで生徒会の連中に鍵の在処を教えたのかと政宗様は仰られているのだ」
小十郎に指摘されて幸村はハッとする。
尋ねられたから反射的に答えてしまったが、三成たちとはその鍵を巡って争っている最中であった。
確かに先程の自分の行動は『敵に塩を送る』行為そのものだ。
「ぬぁああああ!某としたことがあああああ!」
正直者ゆえの失態である。
だが本人は至って真面目であるゆえに憎めないのも然り。
頭を抱えて嘆く幸村に、政宗が喝を入れた。
「嘆くのは後だ。今はkeyを探すぜ!」
「お、応!政宗殿の言う通りでござる!この幸村、必ずや挽回致す所存!見ていてくだされ!お館さぶぁあああ!」
「その意気だぜ真田ァ!どっちが早く見つけられるか勝負だ!」
「望むところでござる!」
走って行った政宗と幸村の背を見ながら、小十郎は遊び盛りの小学生男子を見る親のような心で悟る。
「(……猿飛の野郎も苦労するな)」
*******
先に辿り着いた三成たちが小太郎の前に立ち塞がる。
突然行く手を阻まれた小太郎はやむ得ず足を止めるしか無かった。
「貴様が所有する鍵を渡せ。さもなくば生徒会に逆らったと見なし斬滅する」
「………………」
小太郎は動じない。
それどころか鍵をポケットに入れ、長めの定規を取り出した。
「逆らう気満々っスね。三成様に逆らうとか……アンタ、命知らずにもほどがあるぜ?」
「手加減しろとは言わぬがほどほどにナ。後始末が大変になる」
「善処する。だが期待はするな」
三成と左近は模造刀と定規を装備して前へ出た。
「秀吉様……この不敬者を断罪する許可を!」
「島左近、入ります!」
「いや、おたくらなんで戦闘態勢に入ってるの!?ここ廊下だぜ!?」
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三楓(プロフ) - 紫月姫さん» コメントありがとうございます!色々重なってバタバタしていましたが最近はだいぶ落ち着いてきました。以前の更新形態に戻れるよう少しづつではありますが精進します(*´∀`*) (2020年7月6日 14時) (レス) id: fa2fc96bb4 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - シナシグさん» ありがとうございますm(__)m無理しない程度に頑張ります! (2020年7月6日 14時) (レス) id: fa2fc96bb4 (このIDを非表示/違反報告)
紫月姫(プロフ) - お知らせ&このコメ見ました。お悔やみ申し上げます。無理せず落ち着いてからで構いませんよ?(*^^*)その間に色んな三成さまを拝みに行ってきます!変なコメントで失礼致しました! (2020年7月3日 21時) (レス) id: 9da1b7754e (このIDを非表示/違反報告)
シナシグ(プロフ) - 三楓さん» そうだったのですね...お悔やみ申し上げます。気落ちすると色々マイナスに考えがちになってしまうので無理せず自分の好きな事をしたりしてリフレッシュしながら頑張って下さい!一読者ですが応援してます!(っ`・ω・´)っフレーフレー!!! (2020年7月1日 22時) (レス) id: 63a06f166a (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - シナシグさん» コメントありがとうございます!実は最近身内の不幸がありまして慌ただしくしておりました。ようやく少し落ち着き、これから心の整理のためにも物語を書きたいと思います(*´∀`*) (2020年7月1日 3時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三楓 | 作成日時:2020年5月21日 0時