徹夜確定 ページ42
「まあ、ただでさえこっちは人数足りなくて不利なんっスからこの際Aに手伝ってもらうってのもアリじゃないっスか?」
「どうだ刑部、左近も私の意見に賛同している。これでもまだAを連れて行くなとほざくか?」
「その前にこっちもこっちで色々やってるんだけど……あれ?私に拒否権は?」
「貴様が私を拒否するなどあるものか」
遠回しに“拒否権はない”と圧力をかけられる。
「同行しなければ鍵を見つけるまで私を待つ羽目になるぞ。貴様とて私が刹那でも視界から消えればその身が引き裂かれるような思いに__」
「それが終わるまで待ってるし、時には忍耐も必要だよ。じゃ、また後で」
辛辣にもAはかすがと直虎と鶴姫と共にその場を去ってしまった。
「A!?何故だA!私を裏切るのか!私の元を去るなぁぁああ!」
あまりのショックにその場から崩れ落ちる三成。
まるで今生の別れを惜しむワンシーンのようだが、「終わるまで待っている」とAは言っていたため、先の話をするとこの仁義なき戦いの勝敗が決した後普通に二人は下校する。
しかしそれはもう少し後の話。
今の三成はAからフラれたと思い込み(同行を断っただけ)、深い悲しみと狂気の淵にいた。
「なんだろ。さっきのやり取りスゲーしょうもないのになんかちょっと悲しくなってきた」
左近が目頭を押さえる。
「ヌシも疲労が溜まっておるのだろう。これでも舐めて落ち着け」
吉継はそう言ってポケットから飴を取り出し、それを左近に渡した。
すると項垂れていた三成が肩を震わせる。
微かに零れる声を聞く限りでは泣いているのかと錯覚してしまいそうになるが、よくよく聞いてみると彼は笑っていた。
ゆらりと立ち上がる。
狂気的な瞳はAたちが向かった先を見据えていた。
「……そうか、全ての凶兆は生徒会……いや、秀吉様に反する者がいるからだ。秀吉様に反する大罪人がいることで学園が入り乱れ、その対応に勤しむあまりAが孤独な思いをしている。A、貴様は私を拒絶したのではない。あえて私から離れることで己が抱える孤独に気がついて欲しかったのだろう?案ずるなA、今夜は夜明けが訪れるまであらゆる手段を行使しその孤独を埋めてやる」
「(スゲー怖いこと言ってるけど一周回って面白いからこのままにしとこ)」
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三楓(プロフ) - 紫月姫さん» コメントありがとうございます!色々重なってバタバタしていましたが最近はだいぶ落ち着いてきました。以前の更新形態に戻れるよう少しづつではありますが精進します(*´∀`*) (2020年7月6日 14時) (レス) id: fa2fc96bb4 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - シナシグさん» ありがとうございますm(__)m無理しない程度に頑張ります! (2020年7月6日 14時) (レス) id: fa2fc96bb4 (このIDを非表示/違反報告)
紫月姫(プロフ) - お知らせ&このコメ見ました。お悔やみ申し上げます。無理せず落ち着いてからで構いませんよ?(*^^*)その間に色んな三成さまを拝みに行ってきます!変なコメントで失礼致しました! (2020年7月3日 21時) (レス) id: 9da1b7754e (このIDを非表示/違反報告)
シナシグ(プロフ) - 三楓さん» そうだったのですね...お悔やみ申し上げます。気落ちすると色々マイナスに考えがちになってしまうので無理せず自分の好きな事をしたりしてリフレッシュしながら頑張って下さい!一読者ですが応援してます!(っ`・ω・´)っフレーフレー!!! (2020年7月1日 22時) (レス) id: 63a06f166a (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - シナシグさん» コメントありがとうございます!実は最近身内の不幸がありまして慌ただしくしておりました。ようやく少し落ち着き、これから心の整理のためにも物語を書きたいと思います(*´∀`*) (2020年7月1日 3時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三楓 | 作成日時:2020年5月21日 0時