うちの暴君は『嫉妬深い』だけ【石田三成】

メッセージ200件とか迷惑メールか ページ3

Aは高校入学と同時に実家を離れ、現在は一人暮らしをしている。
元々は家から通える学校を希望していたが、まあ色々あってBASARA学園に入学した。

今日も一日の疲れをお風呂で癒し、のんびりテレビでも見ようとリモコンを手に取ると、机に置いていたスマホのランプが点滅を繰り返している。


メッセージが来ているようだ。


「さて、今日は何件来て……」


スマホの画面には【新着メッセージが200件来ています】と表示されていた。
しかも送り主は全て同一人物。
流石のAも唖然とした。

一々全て見るのも面倒なので最後に送られてきたものだけ確認しようと画面を開いた瞬間、再びメッセージの嵐が巻き起こる。

遂には返信する間もなく通話画面に切り替わった。


『既読しているのなら返信しろ！』

「いや、三成の返信が早すぎて文字が打てないよ！」

『今まで何をしていた！』

「お風呂ですけど！」


すると三成は急に静かになる。


「あのねぇ、お風呂入ってる間にメッセージ200件は今年最多だよ」

『返信しない貴様が悪い』

「いやだからお風呂…………で、何か用？」


今日は左近の補習監督を押し付けられて疲れているのにと思いつつ、Aは適当に要件を尋ねた。

すると電話越しの三成の声色が変わる。


『……用が無ければ連絡してはいけないのか？』

「(あ、やばい。地雷踏んだ)」

『家に帰ったらまた連絡すると言いながら貴様は全く寄越さなかった！何故だ！まさか私という者がありながら他の男と連絡を取っていたのではあるまいな！』


世間ではこういうことを束縛と言うのだろう。
呑気にそんなことを考えながらAは動じることなく言葉を返した。


「課題とか全部三成に聞いてるじゃん。大体三成に聞けば分かるし、他の人と連絡する理由がないと思うんだけどなぁー」


再び三成は黙り込む。


「それとも何、遠回しに同棲したいって言ってる？」

『ばっ、馬鹿を言うな！切るぞ！』


ちょっとからかえば向こうから電話を切るので、Aは安堵の溜息を吐いてから何事も無かったようにテレビを見始めた。

お願いだから当然のように不法侵入しないで→←日直って大変

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す