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感情的 ページ24

家康「何をする!早くしないとAが!」

「A様は三成様の許嫁。その許嫁をどうしようが三成様の勝手です」

家康「ふざけるな!Aは道具じゃないんだ!三成!Aを誤って刺して時に言ったじゃないか!起きたらAに謝らなければと!」


家康が叫ぶも、三成は苦し気な呼吸をするAをじっと見ていた。


三成「Aが、Aが悪いんだぞ?近づいたと思えば遠ざかり…私が近づくと更に遠ざかっていく…。その度に私が何度心を痛めたか…。いつかはAが私の事を想ってくれると信じていた。だが、その夢も先ほどの言葉で途絶えた…」


Aと額をくっつけ、三成は彼女の瞳を覗き込む。


三成「もう、この際どうでもいい。最期にその眼に私を映してくれれば…それでいい」

A「はっ…こふっ…」


助けての言葉が出ない。


Aの瞳が最期に映したのは……愛しすぎたゆえの狂気だった。

*******

目の前で従兄妹が死んだ。

父親、叔母、そしてAまで見殺しにしてしまったことに、家康はただ立ちすくむしかなかった。


家康「そんなっ…」


折角一命を取り留めたのに、こうもあっさり殺されて死んでしまうのか。

自分が守ることは…出来なかったのだろうか?


家康「うっ、あ…うわぁぁぁぁ!」


後悔を嘆く家康に対して、三成はAに突き立てていた短刀を抜いた。

そして、自分自身にこれでよかったんだと言い聞かせていた。


これで、Aは誰にも取られない。




嫉妬で自分が苦しい思いをすることもない。





これで、いい、はずなのに……。






三成「泣いている、のか…?」





頬を伝う涙。

これが正しいと自分の中で思ってはいても、心のどこかで「本当はまだやり直せた」と言っている自分もいた。







分からない。分からない。分からない。







焼けるような喉の渇きと虚無感。









何が間違っていたと考えても考えても答えは出なくて…。









三成は、ひたすら感情的に動いてしまった自分を後悔し、Aに懺悔した。

終わりなき懺悔→←現実



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三楓(プロフ) - 星砕さん» 返信が遅れて申し訳ございません。最後まで閲覧頂きありがとうございます!主人公にとっては中々残酷な結果となってしまいましたが..( ̄▽ ̄;)こちらこそ楽しんでいただきありがとうございました! (2020年8月15日 23時) (レス) id: 6c61a6d02b (このIDを非表示/違反報告)
星砕(プロフ) - はじめまして。本日一気に読ませていただきました。とても面白かったです!先の読めない展開に終始ドキドキしっぱなしで…………最後のシーンは「あ!そうなる!?」とびっくりしてしまいました笑。素敵な作品をありがとうございました (2020年8月13日 21時) (レス) id: 567175ed17 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - SAKINAさん» コメありがとうございます!最後まで読んでくださりありがとうございました(*´∀`*) (2017年10月30日 10時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
SAKINA - みっちゃんなら遣りかねない物語ですね。ヒロインの生き死に胸を鷲掴されました。読みごたえ十分です、どうもありがとう。 (2017年10月5日 20時) (レス) id: c9c7499e31 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - SCP-114514さん» コメありがとうございます!最後まで読んでくださりありがとうございましたヽ(*´∀`)ノ (2017年9月10日 12時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:三楓 | 作成日時:2017年8月29日 16時

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