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#期待のfin. ページ10

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「………なんで、彼女に伝えたんだ?」
「煉獄さんと彼女さんがまだ棘を持ったような関係だったから、取り除いてあげようかなって。


お節介だった?」


「いや、そういう訳では無いが……」



視線を逸らす彼に言葉を叩きつける。



「天然タラシ兼無自覚症状。そしてプレイボーイの煉獄さん。早く身を固めたら?」


握っていた残り数本入っている煙草を彼に投げる。
私の持っている、たったひとつの煙草の箱。


「……からかっているつもりは無かった」
「それが期待させてるんだよ」



馬鹿、と私は口角を上げながら言った。
ベランダとベランダの距離はそれほど遠くない。
身を乗り出せばすぐ届く。手を引っ張り、大きくて角ばった男性の手の甲にキスを落とす。

カァァと戸惑いながら赤く染める彼を見て見ぬ振りをして扉を開く。



「仕返し」


譲れない。この期待させるだけの物語に勝ち負けがあるのであれば。

私が期待させられるだけの敗者になるつもりはない。





fin.

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柚葉(プロフ) - 初めまして。大人の世界観が好きです。更新楽しみにしています!! (2021年10月18日 18時) (レス) @page8 id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れもんのティー | 作者ホームページ:ありません  
作成日時:2021年10月11日 18時

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