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「深澤さん、」
「どうも」
ペコリと頭を下げた深澤さんの少しだけ跳ねた毛先が小さく揺れる。
「なかなか大変そうでしたね？」
え、まさか。
その発言は。
「まさか、見てました？」
「ふは、見てました、ごめんなさい」
「うわ、最悪。恥ずかしすぎて死ねる」
ただでさえ駅前であんなバカでかい声出されて恥ずかしいのに、それを知り合いの、しかも深澤さんに見られてたとは。
いつか絶対、向井のことシメる。決めた。
「ちなみにどこらへんから？」
「んー、家どっちなんだうんぬんのあたりから？」
「…めっちゃくちゃ最初じゃないですか」
余計恥ずかしいじゃん。なんなの、向井あいつ。
「声かけてくれたらよかったのに、」
見てたなら助けて欲しかった、なんて。
そんなの無理なのはわかってるけど。
「俺、他の男と一緒にいるときに声かけられるほどKYでもなけりゃ強靭なメンタル持ち合わせてるわけでもないんで」
「まぁそうですよね」
あの瞬間話しかけられてたら、なんかまた変な方向に話が拗れそうだし。
でも、あんなところ深澤さんに見られたくなかったな、なんて。
「Aさんめちゃくちゃ大切にされてますねぇ」
俺、あんな風になりふり構わずなんてできないや、なんて深澤さんは笑う。
「いや、大切っていうよりも、信用されてないっていうか」
「そうですか？新しい彼氏さんなのかな、って思っちゃったけど」
「ちょっ、違う！向井はただの同僚で、！」
やっぱり変なカップルみたいに見えてるんじゃん、最悪。
しかも深澤さんにまでそんな風に思われたなんて。
思われたなんて？思われてなんか不都合あるの、か？
「慌てすぎです、Aさん」
ふはは、って深澤さんが笑い声をあげる。
あ、笑ったとき歯が綺麗に全部見えるんだ、可愛い。
「意地悪して、すみません」
「いや、全然」
「でもなんかちょっと焦っちゃった、俺」
「え、？」
深澤さんの言葉の意味がわからなくて視線が止まる。
「いえ、なんでもないです」
何か含みを持たせた深澤さんの視線がこちらに向けられる。
その視線に私の視線は固まったまま。
「どーしましました？」
こてん、って首を傾げた深澤さんがそう言って小さく笑った。
その瞬間、私の胸の奥の方がドキンとひとつ音を立てた。
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さーや(プロフ) - 優希さん» すみません💦教えていただきありがとうございます。修正しました。 (2021年10月30日 4時) (
レス) id: 4b2ff4c864 (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - 28ページが原石のときのまま森本くんの名前が出てしまってます💦 (2021年10月29日 21時) (レス) @page28 id: 4434fac4a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さーや
| 作成日時：2021年10月26日 21時
