今夜もう一度君を抱く【ツイステ】

◇特権 ページ35

お久しぶりです。
実は友人がこの作品の夢主ちゃんイラストを描いてくださりました!

ラフイラストだと言われたのですが本当に可愛くて、特にぼんやりしているようで芯がある表情が可愛すぎて…っ皆様にも見ていただきたい、ということでご紹介させてください!


(http://uranai.nosv.org/img/user/data/2/c/4/2c4808942e20a55d91c85590f613ad77.jpeg)


イラストを頂けたということで興奮と嬉しさのあまり、勢いで感謝の気持ちを込めて短編話を書かせて頂きました。読んでいただけると嬉しいですっ




◇◇◇


｢…あの、リドルさん｣

｢なんだい？｣

｢今日のお出かけの髪型なんですが…｣



"好きなヘアースタイルとかってありますか？"

時刻は午前10時過ぎ。
現在地は、俗に言うスピード婚を機に購入したマンションの寝室。大型の鏡が白を基調としたドレッサーの上に置かれている。そこに写る自身の水色の寝癖が存在を主張しているのを横目に数ヶ月前に夫となったリドルに向けて冒頭の言葉を問いかけた。

今日は、久しぶりに取れた2人揃っての休日であり、何日も前から出かける予定を組み立て、並べて、計画してきた日でもある。そう、Aはこの日のお出かけを楽しみにしていた。

朝から身につける服を延々と悩み、メイクもいつもより時間と手間をかけ、そして、残るは仕上げの髪型のみという時に夫であるリドルの灰色の瞳と鏡越しにぱちりと視線が重なりあう。

夫の持つ朱色がふわりと揺れ動き、既に着替え終えたシンプルなシャツの渇いた摩擦音が寝室内に木霊した。


刹那、どくりと心臓が歪な音を奏で、はらりと冷えた汗が背筋を伝っていく嫌な感覚を脳が覚えた。


少しでもリドルに可愛いと言われたい。そんな女心が今日のAを突き動かしていたのだが、そこでやっと肝心なことを忘れていた事に気づく。


そう。何一つとしてAは旦那本人の好みを取り入れていなかったのである。リドルに可愛いと思われたいのに彼の好きな要素を含むことをすっかり失念していたことに今更ながら気づいたのだ。

このままでは不味いと脳が震える文字列を綴り、すぐさま思考が改善策へと修正を行う。それが、上記に記した問いかけであった。




｢…そうだね。まあ、強いて挙げるとしたら、｣


"後ろでいつもしているように纏めた感じ、かな"


と、少しの間、何かを考える素振りを見せたリドルはとろりと溢れんばかりの熱を浮かべながら答えを述べる。彼の言葉にドレッサーに備え付けられた椅子に座っていた自身の身体が硬直し、鏡越しにその甘ったるい瞳と視線が絡み合った。

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