【赤】大切な人 ページ48
、
【男女の友情は成立するか、しないか】
、
これはいつの時代だって男女の問題に上がる議題だ。
もちろん個人の考え方の自由で、
どちらも間違いではないとは思うけど
私自身は男女の友情は成立すると思っている。
なぜなら私には実際にそれくらい信頼している男友達が
いるからだ。
彼とは学生時代からの友人で、
お互い社会人になった今でもすごく仲良くしている。
どれくらい仲良しかと言うと、
お互いの家の合鍵を持っているほどだ。
これを言うと、周りからは決まって必ず
「それって付き合ってるんじゃないの？」
と言われるけど断じて付き合ってないし、
如何わしい関係でもない。
彼は私にとって大事な理解者なのだ。
おそらく逆も然りであると思っている。
、
地球温暖化の影響か最近はおかしな天気が多い気がする。
今日も夕方までは天気が良かったはずなのに、
夜になり突然大雨に襲われた。
更には、大きな雷鳴が聞こえてきた。
こうなったら、私は部屋で小さくなるしかない。
幼い時のトラウマで大人になった今でも雷が苦手なのだ。
出来ることなら寝てしまいたいけど、
寝ることも出来ない状況に、ただ耐えるしかなかった
私の元に彼から電話がかかってきた。
、
『もしもし、涼太っ？』
「あ、でた。
A、雷怖がってると思って電話したんだけど
その様子だと当たりかな？」
『っ、はい、その通りです。』
「ふふ、遠慮しないで電話してきてくれてよかったのに」
、
それから何気ない会話に花を咲かせていたけど
彼の落ち着いた声に安心したのか、
私はいつの間にか寝落ちしてしまったみたい。
、
翌日、何故かほんのりと甘い香りが
鼻をくすぐってきたので驚いて目を覚ますと、
エプロン姿でキッチンに立つ彼と目が合った。
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作者名：Sakuya
| 作成日時：2020年12月3日 12時
