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、
それからメイク中、楽しそうにAと会話している
メンバーに嫉妬しながらも、【これは仕事！】と
心の中で唱えることでどうにか耐えた。
自分は嫉妬とかしないタイプだと思っていたので
いざこうなるとどうしたらいいのか分からないし
自分の中にこういう感情が芽生えたことに驚く。
、
「ほら、阿部。最後お前だって。」
、
Aの手によって、更にかっこよくなった照に
声をかけられたので読んでいた本を机に置き席を離れる。
まぁ、正直に言うと内容は
ひとつも頭に入ってきてなかったんだけど。
、
お仕事モードのAの前に座ると、俺の不機嫌を
感じ取ったのか困った顔をしているAと
鏡越しに目が合った。
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『……なんか希望はある？』
「おまかせで。」
『了解。』
、
くせっ毛の俺の髪をアイロンで伸ばし始めたAは
俺に何か言いたそうだ。
、
「なに？」
、
問いかけると、Aは俺の耳元で囁いた。
、
『ねぇ、亮平、頭痛いんでしょ？』
「……なんで分かったの？」
『珍しくメンバーの前でも機嫌悪いし、
急激な気圧の変化が起こるから気をつけてって
昨日私に教えてくれたの亮平じゃん。
バレバレ。お薬飲んだの？』
「忘れた。」
『えー？そういうところが抜けてるって言われるんだよ。
はい、どーぞ。』
、
彼女がポーチからいつも飲んでる頭痛薬を出して
俺に1回分くれたので目の前にあった未開封の
常温の水で流し込む。
、
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作者名：Sakuya
| 作成日時：2020年12月3日 12時
