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【A、風邪ひいちゃったの?】
『やだ!亮平くん来ないで!帰るの!ゴホッゴホッ』
【えー、そんな事言わないでよ〜!Aもこのままじゃ辛いでしょ?今も息苦しいんじゃない?違う?】
『………』
【図星だね。ほら、早く出ておいで?歩くの無理なら照に抱っこしてもらう?】
『歩けるもん』
【うん、わかった。じゃあ、いこう?】
渋々助手席から降りてきたAは、重い足取りで阿部の後ろをついて行く。
俺が小学生だった頃、公園で遊んでたらAの具合が悪くなって阿部の実家である、この病院におんぶで連れてきたこともあったなぁ…なんて思い出した。
あれだけ嫌がってた割には大人しく診察を受けたAは今、点滴を繋がれて病院のベッドの上で横になって眠っている。
てかそんな重症なんて聞いてないんですけど…。
寝てるからいいよね?大丈夫でしょ!と心の中で自問自答をしてから、少し息苦しそうなAの頭を撫でる。
そこでガラガラとドアの開く音がしたので急いで手を引っこめると入ってきたのは阿部。
「なーんだ、阿部か」
【俺以外に誰が入ってくんの】
「たしかに」
【点滴終わったら帰れるから】
「そっか。ありがとう」
【あのさ、Aからなんか聞いてる?】
「なにが?」
【悩みとか?相談事とか?】
「いや、最近思春期だからか知らないけど全然話してないから…それがどうかした?」
【そう…。ちょっと喘息っぽかったから疲れてるのかなって思ったんだけど。喘息の原因にストレスもあるの。受験生だし、メンタル的にも大変なのかもしれないからさちょっとだけ気にしてあげて?】
「……ん、そうだよな。わかった」
阿部は昔から変わらない笑顔をAに向ける。
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作者名:Sakuya | 作成日時:2020年12月3日 12時