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🖤
『だって、目黒くんは何をしててもかっこいいもん!』
なんてとんでもないことを口走る私は自分が思っているよりも酔っ払っているのかもしれない。
そんな私の発言に目を見開いた彼は持っていたペットボトルの蓋を開けるとゴクゴクと勢いよく喉を潤してから私に問いかけた。
「あのさ、Aは今彼氏いるの?」
『え?……いないけど?』
「じゃあ、俺の彼女になってくれない?」
『え?』
「卒業式の時、俺に告白してくれたじゃん?そのときAは返事も聞かずに逃げたけど、俺もAのこと好きだったんだよ」
『……う、嘘だよ、そんなの』
「嘘じゃない。覚えてる?2年で席が隣だった時、俺が授業中寝てたら先生に当てられて焦ってたら、自分のノートを指さして教えてくれた時のこと」
『うん、覚えてる、けど』
「その時にすごい優しいなって思って、それからAのこと意識するようになったの。でも俺の事避けてるし、嫌われてるんだと思ってた」
『それはっ、避けてたんじゃない!好きだから恥ずかしくて、こっそり見てたの。私なんかじゃ、恐れ多くて近づけないと思ってたし。……それは、今でも思ってる』
「なぁ、もっと自分に自信を持てよ。Aは気づいてないみたいだから、教えてあげるけど、A高校の時から男子の中で人気だったよ」
『え、なんで?』
「男はAみたいな守りたくなるような女が好きなんだよ。でも、Aが男嫌いって噂が流れてたから誰も近づけなかったの。実際、俺もそうだと思ってたし」
『……そうなんだ』
ただ普通に人見知りなだけだったんだけど、いつも女の子たちと一緒にいたからそう思われてたんだろうな。
確かに目黒くんだけじゃなくて、他の男子とも仲良くはなかったな。
自分のせいだったのか、と少し後悔した。
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作者名:Sakuya | 作成日時:2020年12月3日 12時