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けれど大学生になって、沢山の人に出会って、告白されて付き合ってみたりもしたけど、心の片隅にいつも彼がいて、誰とも長続きしなかった。
そんなこんなで私は成人を迎えた。
同窓会のお知らせが回ってきたのもこの頃。
そして、全員が成人した4月に同窓会は開かれた。
そういえば、彼は2月生まれだったよな……なんて覚えている自分に少し引いた。
クラス単位で行われた同窓会は8割ほどの出席率で、その中には目黒くんもいた。
相変わらず人気者の彼と、今日も端で仲の良い女の子で集まっている私はきっと1度も話さずに終わるんだろうなと思いながら可愛げもなくビールをぐびぐび飲む私。
同窓会も中盤にさしかかり、御手洗に行こうと座敷を出ると後ろに感じた人の気配。
振り返るとそこには、すっかり大人びて前よりもさらにかっこよくなった彼がいた。
『……め、目黒くん、久しぶり』
「俺、Aに話したいことあるんだけど」
『へ?』
「今から一緒に抜けてくれない?いや、間違った。一緒に来て、絶対」
『えっ、ちょっ、』
私の手を握ったまま、私と自分の荷物を回収した彼は「俺ら先に帰るわ。またな」と皆に言って座敷を出る。
皆からの刺さるような視線と【蓮、なんで?】【二次会も行くって言ってたじゃ〜ん!】という女の子達の声に、この場に残るという選択肢を選べなかった私は素直に彼について行った。
繋がれた手は身体中の全ての熱が集中したように熱い。
しばらく無言でスタスタと歩く彼に着いていくと少し大きな公園で足を止めた。
彼は自動販売機でお水を2本買い、1本を私に手渡してベンチに腰かける。
『ありがとう。あっ、お金』
「いいよ、これくらい」
『でも』
「これくらいカッコつけさせてよ。まぁ、水くらいじゃカッコつかないけどさ」
『そんなことないよ!!!』
「え?」
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作者名:Sakuya | 作成日時:2020年12月3日 12時