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ズキズキと痛む頭を押えながら起き上がる。

「し、しぬ……」

頭痛い……二日酔いだ。

大学、行かないと……

頭ではそう思いつつも、身体が動こうとしない。

昨日、何かあった気がするけど思い出せないし……

ピンポーン…

「は、はーい」

インターホンの音で目が少し覚め、私は何とかベッドから起き上がる。

「Aー!いるんだろ?」

この声は、私が会いたくない人ランキング第1位の彼だ。

「いません」

扉越しにそう言うと、彼は怒ったように扉を叩く。

「ちょっと、壊れるからやめて!開けるから……」

ズキッ

大きな声を出したせいで頭が痛む。

扉を開けるとそこには万次郎とドラケンが立っていた。

「……入っていいよ」

そう言うと2人は部屋の中に入ってくる。

「私がヤケ酒した次の日に家に来るのやめてっていつも言ってるよね……?」

冷蔵庫から勝手に飲み物を取り出す万次郎の背中に向かってそう言うと、万次郎は不満そうにこちらを見た。

「エマがまた悲しそうな顔で帰ってきたから仕方ねぇだろ」

シスコンめ。

ドラケンもエマと万次郎の味方だし。

「ごめんごめん。今度はエマにバレないところで呑むからさ」

「そういう問題じゃねぇんだよ」

ドラケンはそう言いながら私の頭の上に何かを置く。

受け取るとそれはスポーツドリンクだった。

「ありがとう……」

これじゃどっちが年上か分からないよね。

「私もう20歳なんだから、心配しないでよ。万次郎たちまだ中学生じゃない」

「中学生に心配かけさせんなよ」

うっ、ご最もです……

万次郎の方を見ると、万次郎は私のベッドの方を見ていた。

あ……

私は慌ててベッドのそばまで行き、棚の上に置いてあった写真立てを倒す。

「…着替えて大学行く準備するから」

そう言うと万次郎は私のほうを見た。

「手伝ってやろうか?」

「ッッ!!出てけマセガキ!」

私は万次郎とドラケンの背中を押して部屋から追い出す。

「なんだよ人を変態みてーに…」

大差ないでしょ!











都内某大学。

「おはよー」

「あ!A!よかった〜、昨日休んだからどうしたのかと……って酒臭ッ!え、呑んだの?また?」

抱きついてきた友達は、一瞬で私から離れた。

「……ちょ、声大きい」

「休んだ次の日絶対二日酔いになってんじゃん…もう〜大丈夫?」

大学での数少ない友達、金山柚帆(かなやまゆずほ)が心配そうに私をのぞき込む。

「うん…ありがと」

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作者名:まゆげない | 作成日時:2022年4月26日 1時

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