友達以上、恋人未満。【東リべ】 (ページ4)

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喧嘩も終わったことだし帰ろう。

そう思ったものの、倒れている彼らのことが気になって仕方なかった。

真一郎がいなくなってから、不良とは関わらないようにしていた。

どうしても真一郎のことを思い出してしまうから。

エマたちとも縁を切ろうと思ってたのに、みんな私のことを心配してそばに居てくれている。

年上なのに情けないなと自分で思う。

「はぁ……」

「…クソ…わかったよ神様！！！オレの人生クソだって言いてぇんだろ！！？」

私がため息をついたとほぼ同時に、金髪リーゼントの人がそう叫んだ。

殴られすぎてどうかしてしまったんじゃないかと思った。

どうしたの急に……

「大丈夫？」

私は1番近くにいたもう1人のリーゼントを上から覗き込む。

そのそばにはロン毛の人もいて、2人同時にこちらを見る。

「誰……」

みんな血だらけ。やり過ぎだよなぁ……

「通りすがりの人だから気にしないで。そこの君も大丈━━━━」

金髪リーゼントがいた方を見てそう言うが、そこにもう彼はいなかった。

あれ……帰った……？

「大丈夫かな……」

「あの……」

「みんな、同じ中学なの？」

そう聞くと、ロン毛の人が頷いた。

「あははっ、素直だね」

殴られたあとだからなのか、この人たちの元の性格なのかわからないけど、大人しいな。

「名前は？私、AA」

そう言うと4人は名前を教えてくれた。

敦くんとタクヤくん、マコトくんに一司くん。

いなくなった金髪の人は武道というらしい。

「お姉さんが水買ってあげるよ」

私は自動販売機で4人分の水を買って渡す。

「ありがとうございます……」

あら、いい子だ。

皆のことをベンチまで誘導し座らせて、私はその前にしゃがむ。

「喧嘩、苦手なの？」

そう聞くが、彼らはお互いに顔を見合わせて何も答えようとしない。

そりゃそうだ。どっからどう見ても怪しい女だよね。

「まぁいいや。傷口、家に帰ったらちゃんと消毒しなよ。……じゃあね」

これ以上あの人たちを引き止めるのも気が引けて、私は立ち上がる。

「あ。そうだ……またあの人たちに何かされそうになったら、私に連絡して」

私はカバンから紙とペンを取り出して、電話番号とメルアドを書く。

それを敦くんに渡す。

「連絡してって……」

「私が何とかしてあげるから。じゃ、ばいばい！」

お前に何ができるんだと言わんばかりの表情の敦くんたちに手を振って、私は公園を後にした。