拾弐 ページ14
オレは直人に、アッくんが言っていた"あの人"の話をする。
「過去に戻った時に、佐野万次郎と親しかった人はいませんでしたか?」
「親しかった人?」
「佐野万次郎が今も探しているくらい大切な人物なんでしょう。親友……もしくは恋人とか」
直人の言葉に頭をよぎったのは、喧嘩賭博の時にいた女の人だった。
「恋人かどうかはわからねぇけど……」
「心当たりがあるんですか!?」
名前、なんだったっけ…確か、マイキーくんが呼んでた……
「あ!A…さん」
「A?」
「マイキーくんがそう呼んでたんだ!綺麗な女の人で、大学生くらいだと思う」
「過去で大学生なら、今はもうとっくに社会人として働いているはずです。ただの一般人にそこまで拘るとは思えない…その人のことも調べてみます」
直人はそう言うと、パソコンを操作し始めた。
「タケミチくんが事情聴取を受けている間に、約束通り龍宮寺堅の死について調べたんです。当時の新聞の一文を抜粋します」
その内容はこうだった。
2005年8月3日東京都渋谷区の駐車場で、暴走族のグループ50人が乱闘。
15歳の中学生1人がナイフで腹部を刺される等の暴行を受け死亡。
「この中学生というのが龍宮寺です」
そんな、ドラケンくんが…
「ネットに当時のことを書き込んでいる文がいくつかありました。それによると、東卍の"マイキー派"と"ドラケン派"による内部抗争によって龍宮寺は死亡したようです」
「は!?ちょっと待ってくれ。8月3日って2週間後だろ?」
「はい」
「マイキーとドラケンが抗争!?そんなの絶対ぇありえねーよ!!これはなんか裏がある」
「調べましょう。今日が7月19日。猶予は2週間!!原因を突き止め、君が止めるんです」
オレは気を引き締める。
「8月3日、龍宮寺堅を救う!!それが今回のミッションです!!
龍宮寺の死で変わった"
このミッションがうまくいけば、全員救えます!!」
「最高じゃねえかよ…ぜってぇドラケンを救ってくるぜ!!」
「お願いします!!」
握手をする直前、直人は思い出したように言った。
「過去に戻ったら、そっちでもAさんに接触してください。今の東京卍會が探している人です。僕がこっちで情報を掴めない可能性だってある」
「わかった!頑張ってみるよ」
グッ
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作者名:まゆげない | 作成日時:2022年4月26日 1時