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序章 ページ2

2017年7月。

「"都内での東京卍會の抗争は激化する一方。ついに一般人にまで被害が"」

テレビから聞こえるてきたそのニュースに、私は手を止める。

東京卍會。

その響きは、今となっては極悪非道なグループとして名を轟かせているが、昔はこんなではなかった。

「まぁ、もう関係ないんだけどね……」

自嘲気味に漏れた笑みは、静かな空間に溶けていく。

私は、机の上に置いてある写真立てを手に取る。

「……真一郎」

私は一体、どうしたらよかったんだろう。

いつもそう思う。

あの時逃げた私に、彼を責める資格なんてない。

私のことを姉みたいだっていってくれた彼は、きっともういない。

「ごめんなさい……」

一筋の涙は、頬を伝って写真立てを濡らした。

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作者名:まゆげない | 作成日時:2022年4月26日 1時

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