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今にも喧嘩を始めそうな雰囲気を醸し出した二人に、私は交互に見乍ら戸惑うばかりだった。
心無しか、若干周辺の空気が重くなった気さえする。



待った、待った下さい。

え、何ですか、二人ッて仲悪いンです??然も迚も悪いです??
え、私帰っても宜しいです??あ、手を離す気はないと、ハイ。

否何で!!??
二人が不仲とか犬猿の仲とか私に関係ありませんよね!?此処で喧嘩し始めたら私巻き込まれるの決定事項じゃないですか!!
嫌なんですけど!?切実に!!!

どどどど如何やって此の場を切り抜けたら宜しいンですか…。


誰か救けてエエエッ!!!??(号泣)





「見つけた」


「…ふぇ?」





其の時、制服の裾を後ろからクンと引っ張られる感覚があり、其の儘流れる様に後ろを振り返る。


其処に居たのは、長く艶やかな髪をやや低く二つに結び、赤い着物を纏った小柄な可愛い女の子だった。

首に掛けてある兎のキーホルダーが付いた携帯電話が小さく揺れる。
見た目的に中学生位、だろうか。そんな彼女は表情を変える事なく、制服の裾を掴んだ侭、見つめ合う形となった。





「貴女が有島A?」

「そう、ですが…?」





…何方様?此の可愛らしい和装美少女は。

そして何故私の名前をご存知なンです?
アッ。聞かない方が良いですか?黙ってます。

でも本当に誰?



?と頭に浮かべていると、和装美少女はそんな私を気にする事なく小さな口が言葉を紡いだ。





「私は武装探偵社所属、泉鏡花。
貴女と太宰治の様子を見てくる様に社長から命じられて来た」

「! 武装探偵社って…福沢さんの?」





其の問いに対して和装美少女、泉鏡花…ちゃんはコクリと頷いた。

此んな小さな子も武装探偵社で働いている事に内心驚いていると、険悪の仲であろう二人が漸く鏡花ちゃんの存在を認知したらしい。
二人揃って迷子かな?みたいな表情をしていた。


彼等を見た鏡花ちゃんは、スッと出て未だに反対の手を掴んでいる沖矢さんの手を素早い動きで叩き落とした。アエ?

其の儘鏡花ちゃんは私を護るかの様に、私を背に回してグッと前に出た。
そんな鏡花ちゃんの行動に驚いたのか、二人共目を丸くしている。同じく私も目がまん丸だ。





「喧嘩なら他所でして。彼女を巻き込まないで」


「「!」」





堂々とそう言う鏡花ちゃん。
固まる男性の大人二人。

そして



か、か、か……

格好イイ〜〜〜〜ッッ!!!(感涙)



胸を高鳴らせる私。







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?*。?神??*。(プロフ) - 鏡花ちゃん惚れるて…( (4月20日 21時) (レス) @page31 id: 21074ec137 (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - 神作ですね!これからも更新をお待ちしてます。 (11月8日 13時) (レス) @page31 id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 鏡花ちゃん…好き… (10月29日 1時) (レス) @page30 id: be2fe8a188 (このIDを非表示/違反報告)
みるく - 本当に神がかってました、、!投稿大変だと思いますが頑張ってください!🫣💭 (2022年11月27日 18時) (レス) @page29 id: cd0eeb5975 (このIDを非表示/違反報告)
三斗(トリップ願望者) - 更新をお願い致します!(土下座)楽しみにしてます! (2022年7月8日 23時) (レス) @page28 id: 9ad11557a3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サヒア | 作成日時:2019年7月20日 2時

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