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皆さま、如何やら今日が私の命日なのかもしれません…。
此の人と一緒に帰り道を共にするの、とても怖いです。矢鱈と距離近いのですが距離感狂ってません?え?正常?嘘でしょ?
其れにだって偽名使ってるし、憑いてる女の幽霊の宮野明美さんは変わらずニコニコしてるけど爆弾発言連発だし…。
あと、手を離して下さい〜!!
嗚呼…誰か、誰でも良いので誰か来て呉れませんかァ〜??
そんな私の心の声を発声したと同時にからんと、響きの良い音が聞こえた。
「やっぱりAさんじゃないですか!」
『え!あっ本当だ!』
「え……、っう!!?」
「おや」
名前を呼ばれた方を見ると、私は思わず出そうになった奇声を空いた片手で口を押さえ乍ら飲み込んだ。かなり勢いを付けたので手がばちんっと顔に当たり、少し痛いが今は其れを気にしている場合ではなかった。
其処に居たのは私が一番会いたく無かった人第一位、安室さんだったのだ。
そんな、彼の後ろで私を見つけて嬉しそうに手を振る諸伏さん。
振り返せる訳がない。分かって欲しい、切実に。
そして何より今、そんな気持ちで居られない事も分かって欲しい。
だ、誰か来てとは思いました。誰か来てとは思いましたけども…貴方を呼んだ覚えは有りませんが!!?
真逆の真逆じゃ有りません!?今!最も会いたくない人が来てしまったのですけども!?今日の私の運、壊滅的過ぎて泣けて来ますゥ…。
片手で口を押さえた儘、固まっていると安室さんがニコニコで此方に近寄る。其処でせめてもの挨拶と思い、小さく会釈した。
只、其の綺麗な彼の笑顔が私には獲物を見つけたかのような肉食動物の姿に見えたのは一体何故なのだろう。
「あ、もしかしてポアロに来てくれたんですか?
今丁度試作のデザートが出来上がった所で、もし宜しければ食べて貰えませんか?女子高生の感想を直接聞きたくて」
「ええ、と…」
「……所で、Aさん。彼と何を話されていたんですか」
「…こんにちは、安室さん」
「…?」
『あ〜…』
安室さんが沖矢さんに話し掛けた時、二人の間の空気が変わった気がしたのは気の所為なのか。何処か今から喧嘩でも始まるのかと云う雰囲気が漂い始めた。
其の二人を見た諸伏さんは軽く頬を掻き、苦笑いをしている。
「それに、その手はなんでしょうか。離してあげたら如何です?」
「貴方には関係ないと思いますが?」
「……」
「……」
え、何此れ。
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?*。?神??*。(プロフ) - 鏡花ちゃん惚れるて…( (4月20日 21時) (レス) @page31 id: 21074ec137 (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - 神作ですね!これからも更新をお待ちしてます。 (11月8日 13時) (レス) @page31 id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 鏡花ちゃん…好き… (10月29日 1時) (レス) @page30 id: be2fe8a188 (このIDを非表示/違反報告)
みるく - 本当に神がかってました、、!投稿大変だと思いますが頑張ってください!🫣💭 (2022年11月27日 18時) (レス) @page29 id: cd0eeb5975 (このIDを非表示/違反報告)
三斗(トリップ願望者) - 更新をお願い致します!(土下座)楽しみにしてます! (2022年7月8日 23時) (レス) @page28 id: 9ad11557a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サヒア | 作成日時:2019年7月20日 2時