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そうして、私と毛利さんと…沖矢さんと今晩の夕食を考えながら一緒に買い物をする事になった。
誰かと一緒に料理について話乍買い物をすると云うのは新鮮だな、と思う。
「お二人は今晩の夕飯、どうお考えで?」
「私は家に牛肉があったので、それを炒めるだけでもいいかなと思ったんですけど、やっぱり何か物足りないなぁ〜って」
「牛肉ですか…。Aさんは?」
「わっ私は家にじゃ、馬鈴薯しかなくて…。な、なので馬鈴薯を使ったものにしようかと…思って、まして…ハイ」
「なるほど…」
急に話を振られると戸惑って声が上擦ってしまうのが、私の欠点の一つでもある。…正直欠点だらけなのだけども。
然も其の話を振って来た相手が相手だから、尚更なのだが。
そんなたわい無い話をし乍沖矢さんの後ろを飛び、微笑ましそうに此方を見ている女性をチラリと盗み見た。
一言で云うと美人。
サラサラな長い髪に、キラキラした大きな瞳、整った顔立ち。キュッとした腰に長い綺麗な脚。
モデルさんの様な美人。
そして……
『夕飯を話題に女子高生達とお買い物をするだなんて!もう…大ちゃんったら、妬いちゃうわ』
「……」
此の人は、沖矢さん…大さんが本当に好きなのだと云う事が初対面の私でも見て判った。
一見楽しそうにしているが、愛おしくて、けれど寂しくて泣きそうな…そんな表情を一瞬だが、して居る様に見えた。
…私には、幽霊になっちゃった人の心境とか、何で死んじゃったのか、判らない。
普通死んだら、もう…会えなくて、話をする事も二度と出来ないンだ。
けど、今の私にはそんな視えない筈の彼女達がこうしてはっきりと視えて居る。
太宰さんと中也さんに憑いて居るお二人も、なんだけど…何か、何か私に、
「出来る事って、ないのかなァ…」
「? 有島さん、どうかした?」
「ふおッ!?
ななな何でもないよ!そ、それより!夕食如何しよっか!?」
「…それなんですが」
「「?」」
毛利さんに声を掛けられ、ハッとして直ぐ様頭を切り替える。
すると、其処で沖矢さんが一つの案を出して呉れた。
「牛肉とじゃがいもを使った料理…肉じゃが、なんていかがでしょう」
…ずっと夕飯の献立を考えて呉れてたのかな。
でも…うん。肉じゃがにしよっかな。
今そんな気分になりました!
「善いですね!私、今日の夕飯は肉じゃがにします!」
肉じゃが、美味しいしね!!
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?*。?神??*。(プロフ) - 鏡花ちゃん惚れるて…( (4月20日 21時) (レス) @page31 id: 21074ec137 (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - 神作ですね!これからも更新をお待ちしてます。 (11月8日 13時) (レス) @page31 id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 鏡花ちゃん…好き… (10月29日 1時) (レス) @page30 id: be2fe8a188 (このIDを非表示/違反報告)
みるく - 本当に神がかってました、、!投稿大変だと思いますが頑張ってください!🫣💭 (2022年11月27日 18時) (レス) @page29 id: cd0eeb5975 (このIDを非表示/違反報告)
三斗(トリップ願望者) - 更新をお願い致します!(土下座)楽しみにしてます! (2022年7月8日 23時) (レス) @page28 id: 9ad11557a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サヒア | 作成日時:2019年7月20日 2時