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…否、待って。


でも此れ、本当に開けても平気なものですか…?


き、危険なものとか、何か飛び出して来るとか…そ、そんな事ないよね?

私に開けて欲しいから出て来たンだよね?私に開けて欲しいからお爺ちゃんが用意したンだよね?……だ、大丈夫だよ…ね?ウン、ダイジョウブ。




鍵穴は無い。

試しに振ったり、無理矢理開けようとしたりしたが開かなかった。


ならば、如何やって開けるのか。





「…真逆、お爺ちゃん…。此処で私に、異能力を使えって…そう、云ってるの…?」





亡くなる前、祖父から受け取った撫子色の光の球。


あの時、私は祖父から異能力を譲渡された。

ならば、本当に祖父の異能力を譲渡されたのなら、私にも同じ異能力が使える筈だ。


祖父が亡くなってから、一度も使おうともしなかった異能力。


今考えてみれば、後悔しないように使うにも、ぶっつけ本番は危険が高い。

試しに、練習すると思えば、イケるのではないか?




…未だ一寸怖いけど、使ってみないと判らない、よね?


うん、何事にも練習とか必要だし…うん。大丈夫。

お爺ちゃんが使っていた処、よく見ていたから。使い方は判る。


後は私がきちんと其の力を使えるか如何か。



謂わば心の持ち様。
落ち着いて行えば、何の心配もない。




初めて異能力を使う。


少し緊張し乍、私はゆっくりと祖父の紡いでいた此の異能力の名前を口にした。





「異能力【惜しみなく愛は奪ふ】__________“開け”」





そう云うと、撫子色の光の文字が私を中心に吹き荒れる。


そして、【開け】と命じた小箱は、誰も何も触れていないのにカタカタと小さく揺れた後、自ら動いた様にぱかりと開いた。





「……きた…。出来た…!!お爺ちゃんと同じ異能力ッ!ちゃんと譲渡されてた!!」





其の日、私はちゃんと失敗せず、無事に異能力を使える事が出来た。


初めてで緊張したが、成功した喜びでぴょんっと其の場で跳ねてしまった。




異能力【惜しみなく愛は奪ふ】


此れは祖父の異能力。

簡単に説明すると、言霊。只一言命令するだけで、其の対象となった物や人は其の命令通りに動く。


どんな物や人でも、此の異能力に命じられれば、逆らう事等出来ない。


使い方を間違えれば、世界を敵に回してしまう程の異能力だ。





「…だけど、お爺ちゃんは…守りたいと思った時にだけ使った」





私も、そんな後悔のない様に…此の力を使いたいと思うンだ。








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3→←鍵穴の無い箱



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?*。?神??*。(プロフ) - 鏡花ちゃん惚れるて…( (4月20日 21時) (レス) @page31 id: 21074ec137 (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - 神作ですね!これからも更新をお待ちしてます。 (11月8日 13時) (レス) @page31 id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 鏡花ちゃん…好き… (10月29日 1時) (レス) @page30 id: be2fe8a188 (このIDを非表示/違反報告)
みるく - 本当に神がかってました、、!投稿大変だと思いますが頑張ってください!🫣💭 (2022年11月27日 18時) (レス) @page29 id: cd0eeb5975 (このIDを非表示/違反報告)
三斗(トリップ願望者) - 更新をお願い致します!(土下座)楽しみにしてます! (2022年7月8日 23時) (レス) @page28 id: 9ad11557a3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サヒア | 作成日時:2019年7月20日 2時

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