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8話 これをバネに ページ9

「お疲れ、みんな」

外からでもわかるほど声を出しているのは分かったけど、ノックもせずに中に入る。
もちろん一瞬静かになったけどまた騒ぎ始めた。

「いい加減にしろよお前ら!遊びじゃないんだぞこれは...!」

久遠君がしびれを切らしたのかみんなに向け怒鳴る。

そして続けて今のチームZの状況を再度確認した。

次負けたら終わり

それが確定している状況。でも、どうすれば...

ここはエゴを出してなんぼの場所。そんなところで協調性なんかほぼ必要ない。
まだ、なにか足りない。お互いがお互いを警戒してるせいで良いエゴのぶつけ合いができてない。

「ど、どうすればほかのチームに勝てるかちょっと冷静になって考えてみよ...?」

とりあえずは選手の声を聴かなきゃ始まらない。
ポケットからシャーペンとメモを取り出しす。

「じゃあ逆に、若瀬はなんか考えあるのかよ」

「あるよ。でもそれはここではやめた方がいい手段だよ。君たちが育たなくなるダメなサッカーだから。」

「若瀬、あるぞ。俺が最後決めたあのゴール。あのゴールは蜂楽と潔が居なきゃ絶対無理だった。
あのゴールはヒントになるだろ。」

たしかに、盲点だった。今までチームXに負けてその敗因を探してるけど勝つには点を入れなきゃいけない。
その唯一入った点のことを考えてなかった。

「フザけんな筋肉バカ!」

雷市くんの反論。そういう感想もあるのかぁ。

「でも凄いゴールだった!」

「えっ蜂楽君!?せめて隠して!」

蜂楽君すっごいマイペースだな...

「ごめんwでも凄いゴールだった!あの試合のベストゴールはアレだったな、うん」

多分下を履きながらそう言い、潔君にも同意を求める。
そしてまた起こる口論。どうしてこうもまとまらないか、多分みんな自分が一番になっちゃってるからなんだろうけど。

「あのさ、みんな」

潔君が切り出した。何だろうか。

それから潔君が話してくれた内容はまさに自分と同じものだった。
チームXも、途中までは同じ地点にいた。でもそれが馬狼というプレイヤーによって一気にチームへと格が上がった。

One for all
All for one

一人はみんなにために、みんなはひとりのために。
チームスポーツにおいて、よく掲げられるスローガン。

これを馬狼は自然に作り出した。
それが、足りないんだ。

ヴン

モニターに絵心さんが映し出される。

「やあやあ、才能の原石共よ」

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しは(プロフ) - めっちゃ面白いです! (2022年12月31日 1時) (レス) @page35 id: e927209d21 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さくらば | 作成日時:2022年11月29日 23時

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