28話 LAST GAME ページ31
KICK OFF!
ボールはチームVから。しかし今までのVTRで攻撃パターンは予測済み。
玲王君はボールを取ったら大体凪君に打たせようとする。それが無理なら斬鉄君かな。
でも玲王君単体の性能はトップクラス。だからドリブルは1対1で止めるには心もとない。そこで、潔と廻が中盤で徹底的にマーク。
攻めれなくなって縦パスで凪君にボールが行かなくなったら斬鉄君。
読み通り!
「わぁ。チームZすごい研究してきたんだね。コースいっぱい防がれちゃってる」
「日向さん...はい。そうですね。このゲーム勝てなかったらチームZは終わりですから」
とは言ってるのに日向さんは髪をいじってる。本当に好きだなこの人...
ガコッ
目をやると我牙丸がダイビングヘッドでゴールを狙ったけどポスト。
「惜しい!まだ時間ある次次!」
「凄え!!面白ぇ!!」
玲王君は目を輝かせてまるで新しいおもちゃを見つけた子供みたいな、余裕の表情でこぼれ球を拾い、再現しようとしてる。ゴール前付近にいる凪君に向かって我牙丸の時より速くて低い縦回転で切り込む。
凪君はそれを空中でトラップ。そしてそのまま___
GOAL!
「凪君...相当なバケモンじゃないですか。それに玲王君も」
「そうだよ。だから私は戦術面とかをカバーしたよ。彼らには客観的な視点が必要だったからね。でも完璧には伝えられなかったみたい。その証拠にほら、このゴールを決めたのは凪君。
そういえば、Aちゃんの客観的なアドバイスは的確って聞いたよ。でもそっちは逆に主観的な視点が必要じゃないかな。」
「...手に入れましたよ。」
「知ってるよ。どっちの視点が勝つかな。この試合」
日向さんが入れた客観的な視点はチームVにはあまり響いてないように見える。
でも自分が手に入れた主観的な視点は新しすぎてまだ入れるには思考が浅すぎる。
つまりはマネージャーが起こす影響は五分五分ってとこかな。
「時間はある!まだ全然攻めれる!」
...とは言ったものの、今ボールを持ってる國神君はまだ射程圏外。
チームVにもそれがバレて玲王君にボールを奪われる。そしてまた玲王君から凪君へロングパス。
次こそはと思っていたけど次はオーバーヘッド。
「うわぁ...初見じゃ反応できないってあれ
つい独り言が出てしまう。日向さんを見てみると相変わらずニコニコしている。
でも、まだチームZには速さという武器が残っている。
千切、どうか決めてくれ...
37人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しは(プロフ) - めっちゃ面白いです! (2022年12月31日 1時) (レス) @page35 id: e927209d21 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:さくらば | 作成日時:2022年11月29日 23時