16話 アドバイス ページ19
「昔、うちはバレーしてんだよ。選手としてね。バレーってね、サッカーと同じでボールはひとつ
なんだけどさ、ボールがこっちにあっても全然有利じゃないの。相手に止められるかもしれないしこっちが落とすかもしれない。そこで、」
「どうやって落とさないかというと、全体を見るんだよ。今セッターはどこにいる、相手のブロッカーはどこにいる、近くには誰がいる、空いたスペースもね。バレーの1点は大体30秒くらいで決まるんだよ。短いでしょ。でも30秒間ずっと集中を25点分、きつくみえるっしょ」
「たしかに...そうだな。すっげえ眼と頭使いそう。できるかな」
「少しずつ慣れてけばいいんだよ。無理に全て見る必要はない。必要な情報をとらえて頭に入れとくだけ、ね。簡単」
「たしかに!じゃ、じゃあゴールの匂いとどう合わせよう」
「ゴールの匂い、ってことはコースが見えるってことだね。いいじゃん。じゃあゴールの匂いがしてるときこそ集中を高めればいいさ。そしたら、必要な情報があるからゴールの確率も上がる。闇雲に匂いがするほうに行っても無鉄砲だしね」
最高にマネージャーしてる気分!こういうのだよ!過去の経験を生かせた、やっと
「やあやあ、才能の原石共よ」
ヴンと音が鳴り、モニターに目が行く。
「ただいま第六試合までが終了しました」
そして結果が映し出される。チームV5-1!?バケモンじゃん...すご
「ではここでスパイス。これまでの成績とプレーに応じたBLランキングのチーム内順位変動を行いまーす。そして、マネージャーたちのランキングも初発表ー」
腕を見ると21の数字が。マネージャーは1チーム一人だから全部で25人...うわ。下から数えたほうが早い。
そして選手たちへのアドバイス。終わりか
「最後に、若瀬A。お前はサッカーを周りのやつらに教えてもらえ、もちろんプレーのほうだ」
そしてモニターは暗転した。...え!?プレーで?うち選手じゃないんですけど。
何が目的なんだ、絵心さん
再度モニターに目をやると、次のゲームの日程が。約24時間後にチームZとチームWの第7試合...
「OK、今日はここまでにして各自明日に備えよう」
「あ、千切くん...待って」
「若瀬か。どうした」
「うちだけの課題...聞いた?うち実はサッカーは知識としてしか知らないから教えてくれないかな」
「いいぜ。ほら、まずはパスからだ」
37人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しは(プロフ) - めっちゃ面白いです! (2022年12月31日 1時) (レス) @page35 id: e927209d21 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:さくらば | 作成日時:2022年11月29日 23時