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〈 金額を入力してください 〉
無機質な機械の音声に従い金額を入力する。
正直、母が提示した金額を一回で渡せる程私もお金は持ってないので取り敢えずの10。
私の口座はひとつしかなくてそれは…まぁ、だいくんとの将来の為に昔から貯めてた貯金を少し崩すのは心痛かったが10でも渡させばいいだろう、
なんて私の安易な考え
『…はい』
下ろす所見るなんて言ってた当の本人は車中で後部座席に寝転がってていて、そんな母にお金の入った封筒を手渡す
『…一気には無理だったのでとりあえず10…残りはなるべく早く用意しますので』
滝沢くんに頭下げてパパが小さい頃の私のお給料用に作った口座の番号教えてもらわないと、なんて
無謀が過ぎるかな…、てか、その口座に幾ら入ってるかなんて知らないししかもその口座の存在自体パパが…ジャニーさんがこの世を去ってから知ったし
「んー、まぁいいか。家帰るよ」
私の運転なのに、早く早くと急かすこの人に腹を立ててながらもゆっくりと車を発進させる
車内は時折なるウィンカーの音 、と母が欠伸をする声お世辞にも楽しい車内とは言えない空気
素直に寄り道もせずに家に帰ったのは褒めてほしいところだが
「早く開けてよ」
『…どうぞ。』
鍵を開けて中に通す。もちろんお邪魔しますなんて言葉はなく我が家のように振る舞い出す母
玄関に立ったままの私はそんな母に
『…食材切れてるので買ってきます』
そう冷たく言うと私が逃げるとでも思ったのだろう顔色を変え行かせないと言い出す 母。
まぁ、一人で行くなら逃げるんだけどさ
逃げません、何て嘘ついても通じるわけはなくて
私もついて行く、という母に呆れてモノも言えずまた車に戻って家から二度目の出発
いつもだいくんと行くスーパーはだいくんとの思い出が出てきそうで辛くなりそうだから敢えてこっちで過ごす時によく行くスーパーによることにした
「何作るの？」
『…何がいいですか？』
「…そういえば小さい頃オムライス好きじゃなかった？それでいいじゃん」
『…っ、』
久しぶりに優しく微笑む母の姿を見て少しだけ…ほんの少しだけ懐かしくて胸が苦しくなった
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杠(プロフ) - 黒雪さん» 初めまして、コメントありがとうございます(^ ^)びッちちゃんの作品に関しましてはページ7に作品名を記載しておりそちらから飛べるようにしておりますので作品名をタップしていただいたらびッちちゃんの作品に飛べるかと思います(^^♪ (2021年1月30日 6時) (
レス) id: 3a7eb7200f (このIDを非表示/違反報告)
黒雪(プロフ) - びっちちゃんの小説ってどちらですか…？ (2021年1月28日 21時) (レス) id: 4eaf43baae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杠 | 作成日時：2020年10月1日 10時
