末っ子のもう一人ご存じですか？？ (ページ44)

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尊敬する先輩ページ44

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復帰後初めてソロでの軽い取材も兼ねた雑誌撮影。

ソロ、と言ってもさぎちゃんが付きっきりで居てくれるから不安は少ないし事務所の人が掛け合ってくれたのか男性スタッフは最低限の人数しかいない

『ありがとうございます』

カメラマンさんに挨拶をして別室で待ってるらしい記者さんの元へ行けば優しそうな女性。

「藤宮さんよろしくお願いします」

ふわっ、と笑って椅子に促す彼女に自然と心を開きかけていた

『よろしくお願いします』

私が挨拶をして少し雑談を混じえてから始まった取材。

質問内容も今日の撮影の事だったり恋愛観だったり、答えやすい質問ばかりでありがたいな、と思いつつ正直に答えていけばじゃあ…、と少し困った表情を浮かべて「尊敬する先輩は？」と聞いてきた彼女

言わされてんのかな、なんて。

『…尊敬する先輩…ですか？』

「はい、他の媒体では居ない、と答えてる藤宮さんですが実際はどうなのかな？って」

『ほんとに居ないですよ。(笑)居ないって言い方はあれですけど、皆さん尊敬してます。後輩に関しても事務所にいる方全員、』

「…」

『ここだけの話私なんかが尊敬してますって個人名を出したらその先輩とファンの子に迷惑かかっちゃうので個人のお名前は控えてます。』

「そうなんですね、」

『はい、(笑)でも記事には皆さん尊敬してます。の部分だけでお願いしてもいいですか？』

「はい、上には黙っておきますので」

そう言って微笑まれホッと胸を撫で下ろす、そばに居たさぎちゃんもホッとした様子で私を見つめていた

「取材は以上になります、ありがとうございました」

『こちらこそ、ありがとうございました』

席を外して楽屋に戻る道中さぎちゃんに言って大丈夫だったの？と聞かれたけど本来ならいつもみたいに居ませんで乗り切れば良かったはず。それは自覚してる。でも何故か言ってしまった、

今まで出会ったことのない不思議な人だなぁ、なんて。

後日発売された雑誌にはきちんと言った通りに…いや、それ以上に〈居ないですかね、私が一番という事ではないですし尊敬するに値しないという訳でもないですが皆さん尊敬しているからこそ特に、という方は居ないです。〉と当たり障りがなさそうな書き方をしてくれていて安心した

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