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シにたがり ページ16

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あの日から男の人が怖くなって、先生さえ怖くて看護師さんに女医さんに樹達にバレないように変えてもらったり









樹達が居る時もふとした時に怖くなって身体の震えを止めるのに必死で








きっと、彼らも何かに気がついてる、



気がついてわざと何も言っていないだけなのも知ってる







だからと言って彼らはお見舞いを辞めることはしなかった







『ありがとう』







来てくれる度に毎回そう伝えると皆同じように顔を綻ばせる









あぁ、生きててよかった。









そう思う、けど………夜に夢を見て飛び起きる







それが入院してから毎日で






寝るのが怖くなってるのも事実









そして、目が覚める度に疼く傷口







傷口は閉じてはいる、ただ忘れるなと言わんばかりに傷口が疼いてしまう、厨二病?いいや、ガチなんですよ









綺麗に閉じた、と言っても過言ではないくらい傷口は綺麗に閉じていて、水着や下着撮影の時はファンデーションを厚塗りすればバレないくらい。






こればかりは傷口が浅かったのであの男達にある意味感謝だ。









そして今は自ら









『…っ、』









腕を切る









白いシーツに赤い液体が垂れないようにしっかりとティッシュで塞き止めて、









白い紙が真っ赤に染っていくのを眺める









深夜になってしまえば死にたくて死にたくて堪らない









正直こんな状態で仕事ができるとは到底思ってもいない









でも、仕事をしなければ自分のいる意味が無くなってしまいそうで









『ねぇ、樹。…………殺してくれる?』









君にこんな事を言ってしまってごめんなさい









顔を歪めて目には涙を溜めて









傷だらけになった方の腕を伸ばして彼の頬をそっと撫でるとポロッと彼の目から涙がこぼれ落ちて









田「殺すなんて…嫌だよ、」









俺が辛い時そばに居てくれたお前を殺せない、そう小さく呟いた樹の手が私の手に覆い被さって強く握りしめられた









『…ごめん、樹…………死にたいの……、』









死んでほしくない、それは樹だけでなくみんな言うだろうけど





この時の私は頭の中がそれでいっぱいで









『カメラが…怖い…………』









不意に呟いた本音は病室の静寂を切り裂いた


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美紀 - 移行おめでとです最高ですコロナウイルスと熱中症に気をつけてくださいね (2020年9月23日 21時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年9月22日 22時

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