sound 2 (ページ25)

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side.j

高「あれ？なんでまだいんの？帰んねぇの？」

　高地のバイクのそばで慎太郎と二人で高地が出てくるのを待っていれば、出てきた高地が不思議そうな顔で俺らを見る。高地よりも前に店を出たはずなのにいるから不思議、だよなぁ。わかるわかる。

ジ「まってた。こーちのこと」
高「俺のこと？待ってた？」
ジ「この後何もないでしょ？話したいし、ね？」

　
　さっき買ったコンビニの袋の中、透けて見えてるはずのお酒を見えるように目線の高さにあげながら言えば、不思議そうな顔のまま「えー…」なんて悩んだように言う。

　ただ、今回の俺が真剣だということを察したのか、「しょうがないなぁ」と呟いて、ヘルメットを被ろうとしてたのをやめる。

森「安心して、こーちの分も買ってるから！」
高「あー、それはタスカルワー」
森「すげー棒読みじゃん！」
ジ「ちゃーんと好きなのにしたから！！」

　ちゃんと聞いておきたい話がある。だから待ち伏せて家に呼んでいる。けど、重ったい話でもないし、真剣といえど重い雰囲気、暗い感じにしたいわけではないからいつも通りのテンションに持って行く。

　俺の話したい内容も、状況も。なにも知らないはずの慎太郎が気を遣うように場を盛り上げて、俺の作りたいいつもの通りを作ってくれる。

　気遣い屋さんで、周りをよく見ている慎太郎だから、多分詳しいことは分からずも、さっきのレジでの出来事とかから色々察してくれているのかもしれない。そして、俺の話したいことも分かっているのかも。そうだとしたら感謝しきれない、感じ。

　家について、手を洗ってからすぐに座ってお酒を開ける。バイト終わりのこーちはおっさんみたいに息を吐きながら「うまい」なんて言う。お疲れ様。と思うけど、ごめん。今からもう少し疲れさせちゃうかも。

高「で、話って？」

　どう話を切り出そうか、と思っていればこーちの方から聞かれる。「話したい」って言ったの俺だし、気になるか。

　…だとしてもどこから話そう。そう考えればこーちが「んははっ！」と笑う。

高「慎太郎なんでそんなキョロキョロしてんの！」

　こーちの言葉に目線を向ければ眉を下げてなんというか…心配そう？不安そう？な顔をした慎太郎が俺とこーちを交互にキョロキョロとみている。

　真面目な話、をするからと少し緊張していた気持ちがほぐれて俺も思わず笑ってしまう。