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「いらっしゃい、ま、せ…」
帰る高地さんを視線で追っていたら入ってきた人。反射のように挨拶をしたけどその姿を見て声がしぼんでいく。
ジ「こーちじゃーん！！」
樹「バイクあったからそうだと思ったー！」
高「うわ…タイミング…」
店を出ようとした高地さんに絡む大きい二人。…いや、高地さんも大きいんだけどね。
ジェシーと樹さん。2人が一緒でこの時間、ってことは飲んでたりしたのかな。と思いながら3人を眺める。帰り際に絡まれてしまった高地さんが迷惑そうな顔をしてるのがなんだか新鮮で面白い。
ジ「樹！樹！今日Aの日だった！」
樹「え？あ！マジじゃーん！久しぶりー！」
「…お久しぶりです」
ジ「あれ、樹って前にここで会ったきり？」
樹「そうそう。俺こっちの方来ないし、ライブも行けてねぇし」
ジ「へー、そうなんだー…HEHEッ」
樹「なんだよその何か言いたげな感じ」
ジ「俺はねー、この間一緒に遊びに行っちゃったもんねー！ねー、A！」
「あぁ…うん、いったね」
樹「えー！ずるい！Aちゃん、俺ともいかない？」
「…検討しときます」
樹「それ行ってくれないやつじゃん！」
大きい声で笑う二人。…テンションたっか。絶対飲んでるじゃん。じゃなきゃこの時間にあのテンション、不思議だよ。
「お前ら買い物に来たんじゃないのかよ」っていう高地さんの声に2人が「そうだった」なんて飲み物コーナーに一直線。絶対追加のお酒買いに来たじゃん…。急なハイテンションについて行ったおかげで二人が離れた途端に小さなため息が出る。なんか急に疲れた。
高「あの二人が…すみません」
「あぁ、いえ、大丈夫ですよ。元気ですね、二人」
高「この時間の元気はある意味迷惑でしょ」
友達同士の時だけ出るような少しそっけない感じというか、男の子っぽい感じというか。その感じが出ていてやっぱりちょっと面白い。「優しい」ってジェシーが遊んだときに言ってたけど、その「優しい」も私に対するものとジェシー達に対するもの、そしてもしかしたらもっと他の人に対するもので違うのかもしれない。
高「…また、変なこと聞くんすけど、」
「はい？」
高「あー…えっと、今日って何時に終わります？」
すこし言い辛そうにきかれた終わる時間。前にこれを聞かれた時って大我との関係を聞かれた時だよな、と思い出す。
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作者名：天羽
| 作成日時：2022年11月30日 3時
