幹部のトリコ【中原中也】 (ページ22)

今日:16 hit、昨日:2 hit、合計:105,791 hit

２１話ページ22

・

２番目の棚の中にあったのは金庫だった。

暗号を打たないといけないものだったためすぐにあの「０４０７」を思い出した。

打つとガチャと音がなり開けたら音声録音機と綺麗にまとめられた資料があった。
資料を手に取るとふわりとサヤカお姉ちゃんの香りがほのかに鼻腔をくすぐった

『この資料…サヤカお姉ちゃんに関係があるの？』

パラパラと捲りとりあえず机に置いて、次に音声録音機を手に取りなんの躊躇もなく再生釦(ボタン)を押した。

"＿＿＿相塚さん、貴女他の組織にお金流したでしょ。ようやく、突き止めたわ "

" 何を言ってるのかよく分かりませんが、そんなことした覚えは一切ありませんね。 "

" 証拠なら山ほどあるわ、今なら間に合う…こんな馬鹿なことは止めて！

首領には…中也さんには黙っておくから…！"

" ｯ、別に…貴女の情けなんか要らない！バレないわ。だって私が計画したのよ？

＿＿＿＿＿大丈夫よ。"

プツン、とそこで止まり依然として私はぽつりと立ちっぱなしだった。

『サヤカお姉ちゃんに…相塚さん？

何で…？なんで…サヤカお姉ちゃん中原さんのこともポートマフィアも全部知っているの？』

疑問に疑問が塗り重なり頭が混乱して机にもたれ掛かった。

もたれ掛かった振動で何かが床に落ちた。

視線を向けると、何枚かの写真が無造作に散らばりその中の一枚を手に取った。

その瞬間からだ。

時が止まったように手も、足も息も出来なくなった。

それぐらいその写真は私を脅かした。

写真には火を放つ相塚さんが写っていた。

この写真の映像の荒さ角度から、防犯カメラが捉えた姿なんだと判断した。

火を放たれた建築物に私は見覚えがあった。

『私の家だ＿＿＿＿＿。』

写真に記された日時を見ると火災が起きた日と一致していてもうこれは誰がどう見ても分かるはずだ。

私の家族をバラバラにしたのは

中原さんの部下の相塚だということを。

途端、私は恐怖に襲われた。

憎しみを通り過ぎて恐怖を感じた。

『資料…、資料は何が記載されてるのか見なくちゃ…。』

そう言って、手を伸ばした時

パァンｯ＿＿＿＿＿＿＿

その銃声と共に足がナニかに抉られた。

音の元を見ると、相塚がいた。

『嘘ｯ、気配なんか…無かったはずｯ…。』

「これでもマフィアです。

＿＿＿＿舐めてもらっては困りますわ。」