テレパシー少女は夢をみる【轟焦凍】 (ページ6)

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その日も私は、シロを撫でたり猫じゃらしで遊んだり、学校の出来事を話したりしていた。

『今日はね、プレゼントマイク先生の英語があったんだけど、すごくテンションが高いの。逆に尊敬しちゃうよね』

「確かに、クラスが静かになるくらいテンション高いよな」

『ねぇー、どっと疲れる……ひゃっ！？』

一瞬、シロが喋ったのかと思い、普通に返事をしていたがそんなわけはない。

気付かないうちに隣に座っていたあの紅白髪の男の子に私は驚きの声をあげる。

急いでその場を離れようとしたけれど、あまりにびっくりして腰が完全に抜けてしまった。そんな私に大丈夫かと手を差し出す彼に、私は顔を青ざめる。

『さ、わんないでっ…！』

「お…悪ぃ」

パシンと手を振り払ってしまった。それと同時にほんの一瞬だったけど、幼い彼の恐れた顔が視えた。

「今……」

少し眉間に皺を寄せた彼は、私が振り払った手を見つめていた。

…そう、私が触れた人の過去を視ると同時に、視られている側の人も同じモノが視える…つまり、フラッシュバックを起こすのだ。

久々に使ってしまった個性に、私は怖くなってまたその場から逃げだす。

角を曲がる際にチラリと振り向けば、彼とシロが一緒に私を見つめている姿が視界に入ったのだった。