テレパシー少女は夢をみる【轟焦凍】 (ページ20)

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No.20 ページ20

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土砂降りの雨が嘘だったかのように、次の日は見事な青空で、あまりの眩しさに目を細めてしまう。

そして私の心の中も幾分かスッキリしていて、妙にいつもよりテンションも上がっていた。

「ちょ、感宮さん！それ男物のジャージだよね！？え、何。昨日の雨で急接近あったの？誰ー！！」

『え？えと…』

「いやーまぁ感宮さん可愛くてお人形さんみたいだから男も黙ってないですなぁ。

あ、くれぐれも変な奴には気をつけるんだよ？」

教室に入った途端、話しかけてきたメガネ女子。恐らくクラスメイト。

初めて話しかけられたものだから驚いて「うん…」としか答えられなかったけれど、メガネ女子は「私にも春こーい」なんて言いながら、他のクラスメイトに挨拶をしに行った。

『これ、いつ返そう…』

私の腕の中の紙袋に身を潜める黒色のジャージ。それは言わずもがな昨日借りた轟くんの私物。

よく考えてみると、いつもは轟くんが私を見つけてくれていたから、私は轟くんがどこにいるかなんて知らない。

そもそもここ数週間は避けていたから、向こうから会いに来てくれるなんて難しいし、食堂でよく食べるとは聞いたけれど、あんな大勢の場所はまだキツい。

そうして頭をひねっている間に、授業開始のチャイムが鳴り響いた。