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阿部「早速始めちゃうね。毎年、協賛として参加してる国際映画祭が今年は箱根で行われます。首都圏じゃないから例年よりも集客を見込めないんじゃないかっていうことを主催者側は懸念してる」
佐久間「つまり、映画祭を宣伝する広告枠がより必要になる」
阿部「そういうこと。それに加えて、より多くの人に見てもらうためには、映画祭に参加をする付加価値をつけたり、多くの人にリーチできる何かが必要なんだけど、何かアイデアない?」
目黒「現地に行きたくても行けない人のためにオンラインでも同時開催するっていうのはどうですか?」
阿部「うん。それもありだね」
すごい
さっきまで柔らかかった会議室の空気が一気に変わった
みんな真剣な顔をして意見を出し合ったりメモをとったりしていて圧倒されてしまう
一見おバカな雰囲気を醸し出していた目黒さんも怖気付くことなく積極的にアイデアを出してる
私はただみんなの意見を必死に聞いてメモをとって時々頷いて...
阿部「よし、あとは現地で参加する場合の付加価値だよね」
目黒「んー、そうっすね」
みんなが悩んでいる顔を見て私も手助けしたくなる
だけど、新人の分際で発言するのも気が引けてしまう
佐久間「..佐藤さんはなんかアイデアある?」
佐久間さんの一言で三人の視線が私に集中する
阿部「いいね、Aちゃんの意見も聞いてみたい」
阿部さんは私を安心させるかのように柔らかく笑ってくれた
『あの、チケットの半券で箱根の食事処とかレジャースポットでサービスを受けられるっていうのはどうでしょうか。町おこしにも繋がるかなって思いますし、何よりそれだけで現地に行く理由にもなるのかなと。』
恐る恐る三人の顔を見る
阿部「うん。いい!地域創生はうちの会社力入れてるし、盛り上がりそうだね」
目黒「いいじゃん、Aちゃん」
目黒さんがいたずらっ子のような笑顔を向けてくる
『えっ..名前..』
いきなり下の名前呼びは高スキル...
阿部「目黒、Aちゃんを揶揄わないの!」
目黒「阿部ちゃん嫉妬しないで」
阿部「してねーよ」
阿部さんと目黒さんが対角線上でじゃれあって場の空気が少し和む
その後の話し合いには私も意見を出すようになって、小1時間ほどで会議は終わった
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作者名:ちゃん | 作成日時:2020年10月17日 0時