受付嬢の私とエリートの彼 (ページ19)

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佐久間「美味しい？」

『はい！』

さっきの空気を少しでも良くしたくて元気ありげに答える

すると佐久間さんが右手に持っていたスプーンをお皿の上に置いた

佐久間「Aさ、うちの正社員になる気はある？」

『えっ？』

ハンバーグを切るナイフの手が止まる

佐久間「実は今、社員の紹介した人だけが受けれる採用試験があって、その分もちろん評価基準も厳しくなるんだけど、採用されればAのやりたいことできると思うよ？」

胸がドクッとするのが分かった

こんなチャンス二度とないかもしれない

でも...

『どうして私を...？』

なんの取り柄もない私を紹介するなんて佐久間さんに一体何のメリットがあるんだろう。むしろ、デメリットしかない気が...

佐久間「んー、実はあの日」

『あの日？』

そう聞き返すと佐久間さんはｺﾞﾎﾝと咳払いをしてから少し身を乗り出した

佐久間「ホテルの日」 (小声)

『っ..！』

佐久間「ははっ、顔真っ赤(笑)...で、あの日Aをシャワーに押し込んだ後にAのカバンひっくり返しちゃって、そしたら"研究ノート"っていうのがが出てきたんだよね」

『えっ！...見ましたか..？』

誰にも言ってないノートの存在を佐久間さんが..

佐久間「うん、ごめんね盗み見ちゃった」

ああ、穴があったら入りたいってまさにこのことだ

いろんな広告とかを自分なりに分析してノートに記した通称"研究ノート”

正社員として働く佐久間さんに見られるなんて、恥ずかしすぎる。

『記憶から抹消してください、お願いします』

佐久間「何で？すんげえ良く分析されてたよ？」

彼はオムライスを一口頬張ってすぐにそれを水で流し込んだ

佐久間「俺らが目にもつけない箇所とかを細かく分析してたり、的を得た評価をしてたり、あとは俺が担当した企業広告の分析もあったなー(笑)、俺さAならうちで絶対力発揮できると思うんだよ。」