あなたに興味なんて…ない、 (ページ18)

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ジミンさんのお昼を持って、部屋にもどる。

『お昼ご飯お持ちしましたよ。』

部屋に入ると、ジミンさんはいつものように窓の外を眺めていた。

『大丈夫ですよ。メンバーの皆さん、怒ってたり、気を悪くしてたりしてませんでした。それより、皆さん、ジミンさんのことを心配していましたよ。』

さっきの雰囲気をまだ気にしているのではないか、そう思い、テーブルに食事をセッティングしながらそう声をかける。

でも、ジミンさんはいつも通り、何も反応してくれない。

未だに私の言葉に反応してくれたのは、片手で数え切れるほど、今日みたいなことが起こったおかげで、なおさら沈黙が増えるだろうと予想していたから、何も気にせずスルーできた。

でも、私はジミンさんに嫌われているのだろうか……。
そろそろそういうふうに考えずにはいられなくなり始めていた。

そういう患者さんが今までにいなかったわけではないけれど、さすがに4日もすれば会話ができるようになっていた。

そんなことを考えながら、セッティングを終えたときだった。

「なんでそんなに優しくしてくれるの？」

突然、今にも泣きそうな目で見つめられ、そんなことを言わて動揺せずにはいられなかった。

『えっ……、なんでって……』

さっきの出来事を気にしているからなのか、これほどの大怪我をすれば、普通に過ごせている人を羨ましく思ったり、嫉妬してしまったりすることなんてよくある事だけど…。

「何も答えなくても、ずっと優しく声かけてくれるし、さっきだって、あのままだったら、絶対空気最悪のまま皆帰らせてた。」

そう言うと、ジミンさんの頬を一筋光るものが流れた。

『別にジミンさんだけに限ったことじゃありません。5年も看護師やってれば、同じような患者さんに何度も出会いますから。』

そう言いながら、さっき、重ねて隅に寄せておいたスツールを1つだして、ジミンさんの側に腰を下ろす。

『自分の現状を受け入れるのに精一杯な患者さんとかは、しばらく全く会話をしてくれないなんてこと、よくあります。仕方がないことです。でも、何かあったときにコミュニケーションが取れないと大変ですし、私からはひとつひとつの事を話すことにしてるんです。そうすれば、患者さんの方から話しかけてきてくれますから。今みたいにね、』

そう言って、笑いかけると、ジミンさんは何かを言おうと口を開いた。
でも、それに声は伴ってこなかった。