9話 ページ12
今永さんの少しつりぎみな2つの目は、しっかりと僕のことを捉えていた。
『どういうことですか?』
自然と出た疑問を今永さんに投げかける。
今「お前みたいなナヨナヨしたやつが野球できると思えない。技術も大切だが、メンタル、体づくりだって必要だ。そんな体で出来んの?」
今永さんは静かにそう言った。そして
「お前のこと、認めてないから。」と呟いた。
『じゃあ、もし僕が出る試合の時にホームラン打ったら認めてくれますか。』
気づいた時にはそんなことを口走っていた。
今永さんは表情をひとつも変えずに
今「いいよ。でもそんな簡単なことじゃないから。 プロの世界は甘くないんだよ。」
と言った。そんなこと分かってる、そう言いたかったけど、相手が先輩であることもあり飲み込んだ。
僕は成也が待っていることを思い出して、ロッカーから走って出ていった。
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今永side
走って出ていった 桃樋川A。
そいつに対しての感情はイマイチ自分でも分からない。
あいつが上手いから嫉妬? すぐに折れてしまいそうだから心配? そんな色んな気持ちが入り交じる。
今「ホームラン、、ね。」
誰もいないロッカーで呟く俺の声は谺響する。
なんだかあいつならやりかねない気がする、なんて思い自分の用事を済ませる。
こんなに他人のことが頭に残るなんてことはなかった。気づいたらそいつを目で追って、そいつのことを考えて。
挨拶のときからずっと。気になっていた。
綺麗な顔で、体は力を入れたらすぐ折れてしまいそうなくらい細い。肌は白くて消えてしまいそうな。
今「はぁ、、」
思わずため息をついたのは、きっと自分に呆れているからだろう。
上手い相手を認めなきゃいけないのに。
気にしないでおこうと思っても変に気になるし、変なことふっかけた自分に後悔する。
、、、不器用だな、俺。
普通に「上手いな。」って、「凄いな。」って
言えたらどれだけ楽なのだろうか。
考えるのはやめよう。
そう思って俺は寂しげなロッカーを出た。
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りあ。(プロフ) - にゃあさん» 返信遅くなってすみません!!にゃあさんありがとうございます!!! (2019年11月6日 13時) (レス) id: 29b03a1336 (このIDを非表示/違反報告)
にゃあ - 応援します! (2019年10月22日 20時) (レス) id: 6c1a3f5f49 (このIDを非表示/違反報告)
りあ。(プロフ) - れいさん» 私もです!!笑 来シーズンも康晃ジャンプを楽しみにしてます!!! (2019年10月22日 15時) (レス) id: 29b03a1336 (このIDを非表示/違反報告)
れい - いつも康晃ジャンプできるか楽しみにしながら試合見てます(笑) (2019年10月22日 13時) (レス) id: 6c1a3f5f49 (このIDを非表示/違反報告)
りあ。(プロフ) - 近藤選手も翔さんもすごくいい選手ですよね!康晃ジャンプは勝ってても負けててもノリノリになれるので好きです!是非一緒にジャンプしちゃってください!笑 (2019年10月22日 10時) (レス) id: 29b03a1336 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りあ。 | 作成日時:2019年8月22日 12時