#番外編 ページ35
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(……チョットマッテ、色んな意味で死ぬ)
朝起きたら見慣れない部屋。隣には天使。
いやかわいー…じゃなくて。
俺が動いたせいか、Aちゃんがゆっくりと目を開ける。
「…ん、銀時さん?」
「エ、あ、おはよ、Aちゃん」
「…おはようございます」
「そのー、俺昨日…」
「…昨日、ふふ」
まだ眠たそうに目を擦りながら、楽しそうに笑うAちゃん。
(……ヤバイ、薄っすらとしか記憶ない)
え、手出してないよね?
そんな最低なマダオじゃないよね?俺!?
「そんなに焦らなくても、」
「えっ、いや、えっと…!」
「何したんでしょうねー、マダオさんは」
「エッ!?ちょ、待って!」
「……ふふ、冗談ですよ」
悪戯に笑って、するりと毛布から出ていく彼女。
「お酒、飲み過ぎちゃだめですよ」
「……はい、」
「あと、」
____私にも、護らせてくださいね。
ふわ、と作られた柔らかい笑みは、俺の胸を締め付ける。
昨日の俺が何を口走ったのか分からない。
「…ご飯、食べましょ」
「……あぁ、」
それでも、ふと弱ったときに無意識に浮かぶのはいつだって彼女で。
日に日に膨らんでいく想いが、苦しくも心地良い。
(……あー、好きだな、)
「…Aちゃん、」
「…は、い」
くる、と振り向いた彼女の頬にキスを落とす。
不意をつかれたようで、ぽかんとした後に徐々に赤くなっていく耳。
「…ごめん、キスしても良かった?」
「……事後報告、」
「はは、うん。昨日のことちょっと思い出したから」
「っ、早く行きますよ!」
「……もうちょっとしない?」
「しません!」
小さな悪戯をされたから、仕返しのつもりでしたキスに、これでもかというくらい照れてくれるAちゃん。
(かわいい…、)
擽られたドS心には、抗えない。
足早に行ってしまったAちゃんの後ろ。
取り残された俺の鼓動も、速くて。
(_____重症だな、こりゃ)
彼女の動作、表情ひとつひとつに心臓がうるさくなる。
でもそれが不思議と心地よくて、たまらなく愛おしくて。
絶対に取りこぼしたくないと、強く思う。
らしくもなく熱くなる頬を抑えながら、彼女の後を追った。
Fin.
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日向(プロフ) - 由菜君さん» わああ嬉しいです…!!!キュンキュンして頂けて良かったです!ありがとうございました…! (2021年2月12日 13時) (レス) id: 518bab79dd (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - 381さん» そう言っていただけてとっても嬉しいです!!こちらこそ素敵なコメントありがとうございました…! (2021年2月12日 13時) (レス) id: 518bab79dd (このIDを非表示/違反報告)
由菜君 - めちゃくちゃキュンキュンしました、、!すっごく良かったです! (2021年2月9日 21時) (レス) id: dc79ac4bfc (このIDを非表示/違反報告)
381 - 神楽ちゃんがおもしろくて、、、一気に読ませていただきました!とっても素敵な作品をありがとうございますッ! (2021年1月25日 21時) (レス) id: 664ca7d814 (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - Kさん» まさにそういったものが描けたらと思って作った作品なので、そう言って頂けて本当に本当に嬉しいです…!ドキドキさせられて良かったです!こちらこそこの作品に出逢って頂いてありがとうございました…! (2021年1月23日 22時) (レス) id: 518bab79dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:日向 | 作成日時:2020年11月1日 19時