ヘドロの森のバイトちゃんは今日も天使【坂田銀時】

#03 ページ3

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「A殿、おられるか」

「あ、桂さん！いらっしゃいませ」

「……ヅラ！？」

「ヅラじゃない、桂だ。…銀時、こんな所で会うとは奇遇だな」

「お前こそこんなとこで何やってるんだよ」

「花を買いにな、」








折角の時間を台無しにした客の面を見てみようと振り返れば、あまりにも見慣れた顔で、勝手に眉間にシワが寄ったことは許してほしい。








それにしても、ヅラが、花…？





一体どういう風の吹き回しだと眉をひそめて見ると、失礼なやつだな、と呆れられた。









「生け花のための花だ。最近ハマっておってな」

「生け花ァ？」

「桂さん、生け花とってもお上手なんですよ。これ、頼まれていたお花です」

「あぁ、すまない。しかしA殿の花はいつも美しいな」

「ふふ、ありがとうございます。これ、いつも贔屓にしてもらっているのでおまけです、作ったので良かったら。はい、エリーちゃんも」









Aちゃんから、花ときちんとラッピングされたクッキーを受け取ったヅラは、上機嫌にそれを見つめている。


エリザベスはエリザベスで、クッキーを片手に［ありがとう］と札を出すと、嬉しそうな彼女に抱きつかれていた。






＿＿＿おいおい、ソイツ中身おっさんだぞ。

喉まで出かかった言葉を、慌てて飲み込む。

……その顔が、あまりにも楽しそうなもんだから、どうにも止めに入る気も起きなかった。








全く、これだからマスコットは羨ましい。

いつも皆に好かれやがる。







俺もマスコットキャラクターに転職しようかな。

そうしたらAちゃんに抱きついてもらえんのか…？

え、アリじゃね？合法に抱きついてもらえるとか、アリよりのアリじゃね？









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